エレベーターの入口、ガラス越しに白い服を着た小学生くらいの少女が、俺の目に急に飛び込んできた。
一瞬ドキッとしながらも、こんな時間に子供が出歩くなんてと思い直す。
非常識な親もいるもんだ。
育児放棄とかじゃないだろうな?
そう思った次の瞬間。
「わっ!」
10Fに辿り着いた瞬間、またもやさっきの少女が立っていた。
しかも大きく口を開き、こちらを見ながらニヤニヤと薄気味悪い笑みを浮かべている。
何だ今のは……。
いや待てよ……それどころじゃない……。
何でエレベーターより先に降りられるんだ!?
おかしいだろ!
そう思った時。
「ひっ!」
まただ。
9Fに辿り着いた瞬間、ガラスの向こうであの不気味な少女が大きく口を開け、笑いながら立っていた。
絶対におかしい、ありえない……
全身を寒気が襲った。
震える膝が崩れ落ちそうになり、思わず背後の壁に寄りかかる。
8F。
またもやガラス越しにあの少女が大きく口を開き待ち構えていた。
震えが止まらなかった。
しかし逃げ場はない。
7F。
口を開けた少女が、もはや当たり前の様にガラス越しに立っている。
限界だった。
俺は目に涙を浮かべながら6Fや5F、更にエレベーターの非常通話ボタンを押した。
しかし、ボタンは無慈悲にも何度押しても反応がない。
「くそっ!何でだよ!」
6F。
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わざわざ嘘ついて怖い思いをさせた友人はひどいと思いました(こなみ)
久々に鳥肌立った…