奇々怪々 お知らせ

不思議体験

揚天さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

マッチング通話アプリの相手が…
短編 2021/02/02 22:52 1,971view

あれはある残業帰りの日のこと。
私は明日までに終わらせないといけない仕事をしていた。仕事を片付け時計をふと見ると深夜2時。「もうこんな時間か」と思って帰ろうとしたが外はあいにくの雨。自転車通勤だった私は天気予報アプリで雲を見ると30分後くらいに雨が止むとのこと。
「よし、最近ハマっているマッチング通話アプリで適当に誰かと話すか」そう思い、アプリを開いた。そして、すぐにある女性とマッチングした。彼女は東京住みの看護師だった。話もかなり弾んだ。お互い深夜テンションだった。そして、30分のはずが話が弾みすぎて深夜3時に差し掛かろうとしていた。彼女も眠そうにしていたので
「そろそろ帰るから切ろうか」と提案してみても彼女は
「君が帰るまで電話繋いどいてあげるよ」と言う。
お言葉に甘えて私は電話を繋げながら帰路についた。そして、深夜3時過ぎごろ私は自宅に着いた。電話をしながら「ただいま!」と私は言った。そして、そのまま続けて私が「俺、一人暮らし初めて1年経つけど一人暮らしって寂しいよね。だって、ただいま!って言っても誰もおかえり!って返してくれないから」といつもの決め台詞を言った。

そう、約2ヶ月前に彼女に振られて、寂しさを埋める想いから始めたマッチング通話アプリ。知らないお互いもの同士だからこそ、知り合いだったら話しづらいことだって、気楽に話せる。そして、住む場所やバックボーンが違う人と深い話ができるそんなマッチング通話アプリが好きだった。そして、何十人と話してきたが毎回一人暮らしの家に帰って「ただいま!と言っても誰も返してくれないんだよね」トークをすると多くの人が笑ってくれるのだ。だから、私はほぼ毎回の通話でこのくだりをする。
そして、いつものようにこの下りをした。そしたらいつもと違った。いつもの子だったら笑ってくれるタイミングなのにその子は笑わなかった。すると彼女はこんなことを言い出した。

「え?今『おかえり』って聞こえたよ?」と。
そんなはずはない。俺は一人暮らしで深夜3時過ぎ。周りの家の声や雑音も全くなかった。そう伝えた。しかし、彼女は絶対に女性の声でおかえりというのが聞こえたというのだ。ゾッとして鳥肌が立った。お互い時間も時間だったから「忘れよう」ということで電話を切った。あまりにも話が盛り上がったので、フレンド申請をしてフレンドになり「また通話をしよう」と終えた。

そして、数日後彼女に通話をした。すると、コール音3回なった後流れてきた音声がこれだ。
「現在、この電話番号は使われておりません」

1/1
コメント(0)

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。