ダーツ
投稿者:レイレサ (64)
親戚のAさんが子供の頃に体験したちょっと嫌な出来事について紹介したいと思う。
Aさんが小学生の頃に隣県のデパートに買い物に出かけた時のこと。
ちょうど子供向けのイベントが開催しており、様々なゲームをプレイしてクリアすると景品がもらえるというものだった。
AさんとA母はダーツコーナーで遊ぶことにした。
そこではダーツの的の中央に当てると景品がもらえるというものだった。
景品置き場を確認すると、残り1個だった。
右側からAさんが、左側から知らない親子が同じタイミングで係員に話しかけた。
係員は同時だったことで話し合いでダーツを投げる順番を決めて欲しいと言ったそうな。
引っ込み思案だったAさんは遠慮して知らない親子に順番を譲ろうとした。
A母はAさんに向かってこんなことを言った。
「どうせ投げても外れるから先にやらせてもらったら?」
Aさんは少し嫌な気持ちになった。
その話を聞いた係員は少し困った顔をしていた。
そりゃそうだ、子供に向かってどうせ外れるだろうと決めつけの言葉はさすがに冷たいと感じるのは当然のことだ。
知らない親子はどちらかというとA母の言葉を信じたようで、Aさんに順番を譲ってきた。
実はAさんは真ん中に当てる自信があった。
特別ダーツが得意でもなかったが、その時だけは当たる気がした。
係員からダーツを渡されて「えい!」っと投げた。
何と、一発で的の真ん中に的中してしまった。
Aさんは驚くことも喜ぶこともなく、淡々としていたらしい。
一番驚いたのはA母らしい。
まさか鈍くさい自分の娘の投げたダーツが当たるとは思わなかったようだ。
そして、係員はニコニコしながらAさんに景品を渡してくれた。
AさんとA母はお礼を言ってその場を後にした。
ところが、知らない親子の子供の方がブーブー文句を言っている。
Aさんが外れるのを前提で順番を譲ったのに、Aさんが的に的中させて最後の1つである景品を当ててしまったのだから、自分はどんなに景品が欲しくてももうもらえないからだ。
知らない親子の親の方は子供がブーブー言うので困っていたらしいし、係員も対応に困っていたようだ。
A母はその光景を見てこう思ったそうだ。
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