絶対に給食を食べない不気味な友人Sとその母親
投稿者:雅 (2)
不気味な声だった。しゃがれてるっていうか、潰れてるっていうか。
酒焼けとか声が枯れてる、とはまた違うんだ。
見た目に反してババアな声って言えば伝わるか?
Sそっくりにくしゃっと笑うんだよ。
その笑顔がなんか怖いんだ。
美人だったんだけど、化粧がめちゃくちゃ濃ゆい。
アイドルのモノマネ芸人で、化粧濃い奴いたよな?
ちょうどあんな感じだ。目の辺りが真っ黒で、なんか、見てて不安になる。
ましてや面識ない、しかも年上の女性だぜ?
俺、ビビりまくってさ。
ドギマギしながら、「は、はぁ・・・」って曖昧な返事をした。
「やぁっぱりぃ。Sの母ですぅ」
少し粘っこいしゃべり方。でも抑揚がない。単調なんだ。
話し終わると、ニタァと笑い出す。
いまでもあの笑顔を思い浮かべるとゾッとするんだ。
俺、結構びっくりしたんだよ。
自分のお袋と比べると若すぎる。再婚相手なのかなって思ったくらいだ。
軽く会釈して通り過ぎようと思ったら、また声をかけられた。
「乗りなさいな。送っていってあげるから」
まじまじと車を見てみると、ところどころ塗装が剥げてるんだよ。
錆びだらけっていうか、まともに手入れがされてませんって感じ。
肝心のSはもうとっくに居なくなってた。
Sの母親と話している間にどっかにいってしまったんだろう。
正直、逃げ出したかった。危ない人だって直感で思った。
でもSの母親だし、これが原因で喧嘩するのも馬鹿らしい。
「塾の話とか聞けるかな?」っていう興味があったのは事実だ。
少し迷ったけど、俺は車に乗ることにした。
後部座席からでもわかるくらい、ボトル式の灰皿には吸い殻でいっぱいだった。
車に乗ったことを後悔したのは、割とすぐのことだった。
Sの母親は行き先も告げていないのに走り出した。
「どこに向かってるんですか」って俺は聞いたんだよ。
そしたら「お家よ」の一言だけ。
でも行き先は俺んちとは逆方向。もしかしたら、Sの家に向かってるのかと思った。
嫌だなぁって思った反面、ちょっとわくわくもしたんだよな。
Sがあれだけ拒むんだぜ?Sの家に興味があったのは事実だ。
車のなかは、意味分かんないクラシックが延々と流れてる。
後部座席から盗み見てたんだけど、やっぱり若い。
見た感じというか、肌が明らかに20代なんだよな。
やっぱり家族なんだぁって思った。背筋がピンっと張ってるんだよ。
いろいろ聞きたいことはあったけど、ぐっと堪えた。
俺にも少し罪悪感があったんだ。
興味本位で車に乗ったけど、Sなら嫌がるだろうってことが分かってたからだ。
家に着いたら適当な理由でっち上げて帰ろうって、そう思い直した。
40分くらい走ってたかな。急に車が止まったんだ。
「着いたわ」
地元暮らしが長い俺でもめったに来ない、団地裏の場所だった。
Sの家は何の変哲もない平屋だった。
一言でいうと、ボロい。
車の状態からなんとなく察してはいたんだが、不似合いだなって思った。
母親は綺麗にしているし、スーツも高級そうだ。
Sは育ちがいいと信じて疑わなかったし、とにかく、その、なんというか、イメージと違ったんだ。
車のなかで考えてたこともあって、俺は帰ろうとしたんだよ。
「用事思い出したんで帰ります」って言ったら、
「あなたが来たこと、Sにも話しておくわ」って言われた。弱みを握られたんだ。
しばらく固まったよ。何も言えなかった。
少し考えてから、俺は「あ、Sを待ちます」って言っちまった。
Sの母親と家に入ることにしたんだ。やっぱりニタァって笑ってたよ。
何者だったんだろう…
弱み握られてたのかな。
いろいろと謎が多い
傑作、秀逸。
何者なんだよ
すげーもっと知りたい!一体何者なんだよー
結構面白い。
前半のSが給食を食べないとかSが変わってるくだりはない方が全体的にしっくりくるんだけど…
「ユキオ」という怖い話を思い出した。
せっかくおうちに帰れたのに、わざわざ戻ってきちゃだめよ俺くん。あまつさえネットに投稿しちゃうなんて、おばさん、怒っちゃうぞぉ。あとで迎えに行くわね
家族乗っ取られてる感じなのかなあ
黒沢清に実写化してもらいたい不気味さだ
車で40分って歩いたら4時間だぜ?
月水金はボロい家
火木曜日はお父さんの家帰ってたんかな?
担任に奴の自宅の住所聞いたらよかったのに!
多分消されたんやろなぁ!
私の見解だとあのSくんの家元々誰か住んでてそこで死んでるんじゃないかな?多分俺くんがあった女の人とガリガリの女の人とSくんも…臭いは多分腐敗臭だと思う……死体の……
家族の事教えてくれない友達ちょっと注意やな・・・・
ためはち
謎だらけ。これ以上、深追いは辞めたほうがいいのかも。真相は、皆様のご想像通りかも。
コワイ、けど…もしかしたらSは俺くんを守るために…?
Sくんのメンタル強者っぷりよ…
カルト宗教でしょ……
里子やら養子やらありとあらゆる手口で構成員を増やすのよ……
ドロドロのご飯…
チャーリーとチョコレート工場のウンパルンパ族の芋虫ぐちゃぐちゃのやつ思い出した……