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ぴさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

当たりすぎて怖い占い師
長編 2022/04/26 00:14 7,772view
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占い師にはできるならボディーガードを連れて、一日過ごすように言われました。

だから私はこっそり空手歴のある兄に相談し、その日一緒に付き添ってもらったのです。

3日後は、朝からドキドキしっぱなしでした。

この日、その人から話しかけられなかったら占いが外れたということで、特に問題はありません。

ただ話しかけられでもしたらどうしようと朝から落ち着きませんでした。

そして、仕事帰りに兄に待っていてもらうと、帰りの駅に向かいました。

兄が車で迎えに行くといいましたが、それは断りました。いつものルートを行かなければ、また翌日に問題が持ち越されると占い師に言われたからです。

そしてその駅で、私はその男に待ち伏せされていたのでした。

彼に「付き合ってほしい」と言われました。

私は彼を刺激せずに、今片思いしている人がいて無理だと本心を言いました。

彼は一瞬、ちょっと怖い目になって、「嘘つくな」と掴みかかってきそうになったのです。

だけど、そこで兄が間に割ってくれて、事なきを終えました。

力も気も強い兄は普段だったら、きつい口調で男をののしったと思うのです。

だけど、占い師の助言を聞いていた私は、なるべく相手を刺激しないようにしてほしいと頼みました。

だから兄も必要以上に彼を罵ったりはしなかったです。

こうして、彼の告白をしっかりお断りました。

それ以降、私が取引先の彼にしつこく言い寄られることは無くなりました。

後で聞いた話ですが、彼は取引先の会社でもあまりいい話を聞かないようで、元カノも元々カノもDV被害に遭っているのは確実みたいです。

取引先の別の人に聞いてみて、そんな噂があることを知らされました。

すごく驚いたし、人は見た目によらないと思いました。

さらにナイフを持ち歩いているらしいという噂を聞いて、かなりびびりました。

もし私がボディーガードも連れず、あそこにいたら、刃物による被害者になっていた可能性は大いにあると思うのです。

そのお礼もあり、当たりすぎて怖い占い師を私はその後ずっと探し回りました。

しかし、まったく足取りは掴めずにその後一度も会うことはできなかったです。

けれどそれから十年以上経ってから、私はあの占い師に再会することになるのです。

再会すると言っても、写真でなのですけどね。

私は覚えていないのですが、すごく可愛がってくれて、とっても懐いていたひいばあちゃんがいました。

祖父がなくなった際に、その家でそのひいばあちゃんの若い頃の写真を見て「あ」と声がこぼれたのです。

その顔に見覚えがあり、じっくり見てもやっぱりあの占い師の顔とそっくりなのです。

私はぞぞぞっと背筋が寒くなりました。

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コメント(1)
  • ひいおばあ様が、守ってくださったのかもしれませんね
    本当に危なかったですね、何事もなくて何よりです

    2023/03/06/16:08

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