押入れの子ども
投稿者:ぴ (414)
しかし、私はその場から動けませんでした。
なぜなら体が硬直したみたいに動かなくなっていて、金縛りか何かのように身動き一つできなかったからです。
なぜその場から動けないかと思って私は必死で見える限り周りに視線を向けました。
そして気づいたのです。私の足首に何か冷たいものが触っていることに。私がそれが青ざめた子供の手首だと気づいて、体中に鳥肌が駆け巡りました。
転がってくる首はおそらく子供の生首で私はそれが近づいてくる恐怖に凍りついていました。
その生首が私に目の前でぴたっと止まって、「ひぃひひひひ」って奇妙に低い声で笑ったのです。
そして甲高い声で、私に向かって「ママー」と呼びました。もう恐怖で身が凍り、言葉もなかったです。
恐怖の絶頂の中で、私は目を覚ましたのです。
気づいたら朝で私はトイレの前でばったりと倒れており、目覚めてからは恐怖で涙が止まらなかったです。
それでもなんとか起き上がったときに確認した寝室の押し入れは少しの隙間もなく、ぴたっと閉まっていて、昨夜の生首の形跡はどこにもありませんでした。
それからすぐに不動産会社に連絡して、この部屋を出ていきました。
今でもあの日起こったこてとは鮮明に覚えていて、忘れられません。
一刻も早く出ていきたかったし、これ以上知るのが怖くて、私はあの部屋について何一つ聞かなかったです。
それが少し心残りです。ただ間違いなく、あの部屋は事故物件だと予測しますし、そうでなくても何かが「いる」ことは確かだと思います。
後で知ったのですが、私の借りたアパートの上の階の部屋は私が住んでいる間誰も住んでいなかったらしいです。
じゃあ、あの子供の足音は何だったのでしょうか。
いまだに私はあのアパートの近くを通りかかるときに、ぞくぞくする何かを感じます。
まるで誰かに見られているような視線も…。
私にとってあのアパートは鬼門であり、なるべく近づきたくない場所になっています。
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