一家心中があった部屋の下の部屋
投稿者:りー (118)
短編
2022/04/02
17:20
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私がOLをしていた時の話です。
当時マンションに1人暮らしをしていました。
上の階には4人家族が住んでおり幼い子供2人が元気にバタバタ走り回っている音がよく聞こえて来ました。
ある日仕事から帰ると警察が来ており物々しい雰囲気でした。
住民に話を聞くと上の階の家族が一家心中をしたとの事です。
私は特に交流は無かったのですが、付き合いがあった人によると旦那さんの事業が失敗して多額の借金を背負っていたそうです。
その結果の一家心中で他に道は無かったのかと切ないものを感じました。
それから数日、奇妙な事が起こる様になりました。
誰も居なくなったはずの上の階から物音がするのです。
それは幼い子供が生きていた時にさせていたバタバタと走り回る音です。
管理人さんが入って居るのかとも思いましたがそれにしては騒がしすぎます。
上の階にはまだあの家族は居るのだと思いました。
死んだ人間が住んでいるのは不気味で気味が悪かったので昔祖母から教わった供養を簡素ながら行いました。
線香を炊いて亡くなった人を思い手を合わせました。
1週間ほど行うと物音はしなくなりました。きっと成仏したのだと思います。
あの世でも元気に走り回れていると良いなと思いました。
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