記憶に刻まれた不思議な体験
投稿者:コー (1)
運転している友人も、迷っていました。
車が2台、すれ違うほどの道幅はありません。
無理に車をズラしたら、脱輪してしまいます。
しかし、対向車は、速度を緩めている気配がなく、光はどんどん眩しさを増して、近づいてきます。
私は、車から降りて、トランクにある懐中電灯を回して、対向車に手を振って合図しました。
しかし、相手は反応してくれません。
光はかなり私たちに近づいています。
もう、目が開けられないほどの光量です。
もう、ぶつかる。事故になると思った私達は、車から飛び降り、横の畑に飛ぶ様に転がっていきました。
そして、目をそっと開けて、周りを見渡すと、光はなくなり、いつもの静かな畑道に戻っていました。
考えてみると、車の音もなければ、車が通った痕跡もありません。
ただ、見た事もない様な、大きくて、眩しい光が私達に近づいてきた。
この事実だけが残りました。
その後、私と友人は、鳥肌が立ち、畑道を急いでバックで戻り、無言で帰宅したのは言うまでもありません。
その後、数日後、友人とあの現象は何だったのかを検証したくなりました。
それは、私もその友人も、それまでは、そういったオカルト現象は、信じていなかったからです。
でも、私だけの体験であれば、それこそ、海水浴で疲れていたからと言えるのですが、今回の体験は、私と友人の二人が同じ体験をしたと言う信憑性の強いものでした。
私はそれから数週間後、地元の友人なら何か知っているのではと思い、今回の体験話を正確に話して見ました。
すると、その体験と繋がるかはわからないけど、あの畑道は、しょっちゅう、ひき逃げ事故が多発している場所で、亡くなった方もいる場所だと言う事がわかったのです。
その情報だけでもう十分でした。
その話を聞いただけで、だからこう言った現象が起こるのかと、純粋には紐づけられなかったのですが、完全否定できない自分もいました。
その後も、何かモヤモヤしていた私と友人でしたが、時が過ぎ、そんな経験も薄れていきましたが、夏が来ると思い出すのでした。
ちょうど不思議な体験をしてから1年後の夏でした。
私は半分は好奇心。もう半分は検証も兼ねて、その友人と夜ではなく、明るい日に、その畑道にもう一度だけ、行ってみることにしました。
昼とは言え何か変な気分で、その畑道に向かうと、びっくりしたのが、あったはずに畑道は無くなっていました。
単純に畑道を塞いで、全面畑にしたとかではなく、畑そのものが、民家が立ち並び、無くなっていたのです。
こんな1年で、この広大な畑を無くし、こんなにも急速に民家が建つのかと、しかもこの田舎町に。
はたから見れば、発展していく町の日常なのかも知れません。
でも、私はそうは思えませんでした。
何かなかった事になっている事に、変な気分になりました。
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