何の変哲もない石が起こした不幸

あれは私が小学生の頃です。

当時河原で遊ぶのが好きで放課後はいつもそこで友達と鬼ごっこをしたり縄跳びをしていました。

ある日ふと目に入った石がありました。

何の変哲もない普通の石でしたが何故か引き寄せられるものがあって持って帰る事にしました。

それ以来私の家では変な事が起こる様になりました。

誰も居ないはずの所から視線を感じたり普段健康な父が体が重いと体調不良を訴えたり、母は情緒不安定になり少しの事でヒステリックになりました。

私自身もやたら怪我をするようになり常にどこかに絆創膏や包帯を巻いてる有様です。

ある日心配して訪ねて来た祖母がこんなにおかしな事が起こるのは何か悪いものが家に入って来たからだと言い出しました。

そして最近買った服や日用品等家に入って来たものを調べ始めました。

私も学校で貰ったプリント等を出し石も見せる事にしました。

祖母は石を見た瞬間「なんで石を拾って来た！」と物凄い剣幕で怒りました。

普段温和な祖母のあまりの豹変ぶりに驚き怖がると共にこの石が原因だったのだと合点が行きました。

どうやら石には念がこもるもので特に河原は昔処刑場だったり火葬場だったりして悪いものがこもりやすいそうです。

この石も血を吸った石だったのでしょう。

祖母はすぐ近所の寺に連絡し石を持ってお祓いに行きました。

その後おかしな現象は止まり家に平和が戻りました。

石が持つ恐ろしさを経験した私は今でも安易に石に触れる事が出来ません。