行方不明の真相
投稿者:二十左衛門 (3)
僕は生臭い肉野菜炒めを気合いで食べきると、母親はうっすらと広角をあげ食器を洗い始め、僕はO君としばらく談笑したのち、帰宅することにしました。
ドドン!
その帰り際、今日一番の物音が鳴ったかと思えば、風呂上がりの父親がちょうど居間に戻っており、うるさいと一喝します。
僕はシンと静まり返った襖をまじまじと見つめますが、父親がこっちを振り向いたことですぐに靴を履き、「ごちそうさまでした」と頭を下げ、逃げるように飛び出しました。
それからというもの僕はなるべくO君との接触を避け、通学路も迂回したものに切り替え、O君一家の目につかないように立ち回りました。
そんな甲斐もあってか、クラス替えが行われるまでO君の家に行く機会はなく、自然とO君から離れることができたのです。
数年後には、A君の行方不明事件も噂が途絶え風化しつつあり、僕もO君とは一切関わりをもたなくなりました。
そんなO君一家が引っ越したと話を聞いたのは僕が中学受験真っ只中にあった頃だったと思います。
それから更に数年後、僕が大学生となり久しぶりに実家へと帰省した際、母から聞いた話になります。
何でも、O君家跡地の解体が去年終わりから行われていたらしく、その時に複数の遺骨が床の下から発見されたそうです。
小動物、おそらく猫や犬が大半だそうですが、母の話では子供の骨も混じっていたとか、怪談めいたことを聞かされました。
この時、当時O君家の襖から仕切りに鳴っていた物音のことが鮮明に浮かんできました。
しかし、あんな分かりやすいところに監禁するだろうかと首を傾げ、すぐに邪推を振り払いました。
なので、さすがにそれはないと母を相手にせず一蹴したのですが、後日正式に地元新聞の片隅に載せられた真実に驚愕することになるのです。
行方不明の子供の遺骨見つかる。
見出しはそんな感じでした。
行方不明の子供の名前は隣街の小学生のものでした。
ただ、その子の名前以外には猫や犬等の小動物のことしか書かれていないかったので、僕は新聞に綴られる文字の羅列を訝しみます。
この時過ったのは、あの時O君家の襖で物音を立てていたのはA君なのではとの疑念。
僕が始めてO君家に訪れた時期は、この新聞の小学生が行方不明になった時期と被り、その時も襖から物音がしていました。
例えば、その時の物音が遺骨で見つかった小学生で、僕が二度目に訪れた時の物音がA君だたっとしたら、時系列的には辻褄が合うのではないでしょうか。
だとしたらなぜA君の遺骨が見つからないのか不明ですが。
警察は勿論土地の元の所有者であるO君一家を探していることでしょうが、僕が大学を卒業する今も進展はないようです。
やはり僕の早とちりなのかもしれませんが、僕はあの時の物音が耳から離れなくなりました。
もしかしたら、あの時の物音が遺骨で見つかった小学生か、はたまたA君の助けを求める行動だったのかもしれないのだから。
面白かったです
なんか似たような事件を聞いたことがあるような・・・
食べた肉は結局何だったんだろう
もしかしてジビエ…
食わされたのか…俺以外の肉を……