寝相の悪さと撮った覚えのない写真
投稿者:くやり (24)
短編
2022/02/27
01:47
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私の寝相の悪さは有名です。実家ではよく笑い話にされていました。しかし本人に意識がないのですから仕方ありません。
今日も枕元にスマホを伏せて布団に入ります。コンセントをさしておけば朝までに充電完了です。
翌日目が覚めるとスマホが体の下に移動していました。よくあることなので別段取り乱しません。私の寝相の悪さは折り紙付きです。試しに手に取れば液晶に撮った覚えのない写真が表示されており、「おや」と思いました。就寝中に手だか足だかが当たったみたいです。
何が写ってるんだろうと覗き込み、大口開けた間抜けな寝顔に苦笑します。両手は顔の横に投げ出していました。
「え?」
待ってください、両手が顔の横にあるなら誰が撮ったというのでしょうか?私は数年前から一人暮らしで部屋には他に誰もいません。急に怖くなり写真を削除し、この事は忘れようと決めました。
翌日目を覚ますとスマホが元の位置にありホッとします。念のため確認し、驚愕に目を剥きました。撮った覚えのない写真が増えています。電気を消した真っ暗闇の中、胸の上で両手を組んだ私が寝ています。お棺の中にいるみたいです。
呪われるのが怖くて問題の写真は削除していません。
今思えば朝起きるたびスマホがとんでもない場所に移動してたのも寝相のせいとは断言できないのでした。
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