アパート全体に取り憑いていたはずの女の幽霊
投稿者:足が太い (69)
どうやらアパートの住人でお金を出しあって、大家立ち合いの元、このアパートのお祓いをしたのだそうです。
その時のリーダー、というかお祓いを計画したのが、Aだったのです。
「お祓いしたし、それ以来幽霊は見えなくなったから成仏したんだと思うけど…。なぜかお祓い後から食べても食べても痩せちゃって」
Aは力なく笑うと、はぁっと重いため息を吐きました。
女の人の幽霊は、その時のお祓いでは成仏せず、それどころかお祓いを計画したAに対して強い恨みを抱いたのでしょう。
アパート全体に取り憑いていた女の人は、今度はA1人に取り憑き、そのせいでAはやつれてしまったのだと思います。
言うべきか迷いましたが、このまま黙っていたらAの命まで取られるのではないかと心配になり、「まだその幽霊、成仏してないみたいだよ。もう一度お祓いした方がいいと思う」と、Aに伝えました。
その瞬間、窓は開いていないのに部屋の中でゴウッと強い風が吹き、びっくりしていると目の前に女の人の顔があったのです。
ギリギリと口を噛みしめながら女の人は恐ろしい形相で私を睨んできて、怖くなってAとBの返事も待たずに「ごめん!用事が出来たから帰るね!」と言って、すぐにAの家を出ました。
幸いと言っていいのか、女の人の幽霊はAの部屋から出られないようで、私が取り憑かれることはありませんでした。
Bも、私の慌てた様子に何かあるのかと思い、その後すぐに帰ったようです。
Aはと言うと、最近の自分の健康状態、そして窓が開いていない部屋で突風が吹いたことから私の「まだ成仏していない」という話しを信じたようで、後日もう一度お祓いをしたそうです。
そうすると、いくら食べても痩せていたのが嘘のように、お祓い後は健康状態が戻ったと言っていました。
お祓い後にAのアパートの前を通りがかることがありましたが、その時はもう嫌な感じはなくなっていたので、恐らく女の人の幽霊もやっと成仏できたのでしょう。
あの幽霊の力が強かったら、Aの次は私が取り憑かれていたかもしれません。
本当に恐ろしい体験をしました。
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