だまされてるうちに。
投稿者:くま (4)
「『犬』だった……そう思わないと、みつかっちゃうよ」
おねえさんの言葉を思い出して、怖くなった。
でも、そのおねえさんもいなかったと友達はいう。
本当に、訳がわからなかった。
頭がパンクしそうになりながらも、友達におねえさんと秘密基地にいってたんだというと、変な顔をされる。
「その川の向こう、田んぼと畑ばっかりだし、山っぽい所はあるけど、秘密基地にできそうなのなんてないよ」
他の友達たちも、そっちは何回か行ったことあるけど、自分たちより大きい草がたくさん生えてる場所も、秘密基地みたいなブルーシートの覆いのある拓けた場所もないという。
嘘だ信じないというと、じゃあ明日みんなでいってみようよと言われた。
次の日の放課後。
昨日いた子で集まっておねえさんの秘密基地を探しにいった。
川を渡った所までは行けた。
友達が言うように、川向こうは田んぼや畑ばかりで、昨日通ったあぜ道がどの辺りだったかはわからないし、あの雑草を掻き分けた場所はそれっぽいところもなく検討もつかなかった。
友達たちがこの辺で山っぽいのはここだけと連れてってくれた所も、木がまばらに生えてだいぶ見通しのいい丘のような場所で、もちろん秘密基地はなかった。
ただ。
おねえさんがランドセルに付けていたビーズのキーホルダーと同じようなものが、だいぶボロボロになって落ちていた。
ずっと、ずっと前から落ちているみたいだった。
そのおねえさんも、それ以降みたことはなかった。
おねえさんが夏目友人帳のレイコさんで再生された。
筆者です。
おねえさんが素敵な方で再生されて嬉しい限りです。
上手いですねぇ
風景やあなたやおねえさんの表情浮かんできますよ
冒険ごっこのワードやキーホルダーワクワクしながら読ませてもらいました
ありがとうね
筆者です。
お褒めいただきありがとうございます。
子供の頃って見識が少ないからか、今から思えばささやかな事でもワクワクしたり、過剰に怖かったりしたな、と思いながら書きましたので、そういう物がつたわれば幸いです。