前世のカルマですね

私は小学生、中学生の頃に同級生や上級生からいじめられたことで重度の人嫌いになった。

担任の先生に相談したが、保身行為が強すぎて助けてくれなかった。

親は仕事が忙しくてあまり話を聞いてくれなかった。

もう人なんて信じられないと思い、私は一匹狼になることに決めた。

社会人となっても、仕事先の人間関係のトラブルに巻き込まれることが多かった。

人嫌いとして他人との間に壁を作ってしまい、自分の本心もあまり表に出さない。

こんなとっつきにくい雰囲気を出していたら「何を考えているのか分からない」と敬遠されても仕方ないだろう。

影でこそこそ悪口を言われることには慣れているが、人間のそういう嫌らしい本質に嫌気が指した私は、ある時に占い師に相談してみようと思った。

どの占いがいいのか分からなかったが、タロットに興味を持った私はタロット占い師に見てもらおうと思った。

森の中の古くてボロい建物の中に占い師はいた。

年齢は５０代くらいで黒くてうねった長いくせ毛の上からベールのようなものを被っていた。

ゴージャスなテーブルの上には占い師の定番アイテムの水晶が置かれていた。

大きさは１０センチくらいだろうか。

黄金の台座の上に綺麗な水晶が乗せられており、側には古びたタロットカードが置かれていた。

私はタロット占いをしてもらえるものだと思っていたが、予想外にも占い師は水晶に手をかざした。

目を瞑った占い師に私は相談内容を告げた。

なぜ、人間関係の苦労があるのか・・・と。

しばらく目を瞑っていた占い師は水晶から手を離す。

ゆっくりと占い師は語り出す。

「あなたの前世が見えました・・・」

「前世のあなたはお金の苦労はありましたが、友達がたくさんいました」

「友達に恵まれたのはいいのですが、友達が少ない人や結婚出来ない人を見下していたようです」

「また、お金での苦労があったことで、お金を持っていた人を妬んでいたようですね」

「今世で人間関係で嫌な思いをさせられているのは、前世のカルマです」

「今回の人生ではお金の苦労がない代わりに、人の縁に恵まれないようなプランを歩むように設定して生まれてきたのです」

「あなたのご両親はそれなりの収入があるようですが、それで人から妬まれているのも、前世のカルマなのです」

私は親の収入のこともピタリと当てられて驚いてしまった。

そうか、前世の行いのせいで今世に影響が出てきたのか・・・。