真夜中の透明な存在
投稿者:ウォルマ (5)
短編
2022/02/03
02:02
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20年以上前の、実家暮らしだった頃の話。
当時は確か学生だったか、だいたい1時から3時くらいと就寝時間が遅く、
その日も宿題をしていたのか何をしてたか忘れてしまったけど
午前2時は過ぎていたと思います。
眠る前にトイレに行こうと自分の部屋を出て
階段を下りた先に居間があるのですが
ふと居間を見るとふすまが開いていました。
何気なく居間の中を見ると、
誰もいるはずのない部屋におぼろげな感じの白い何かが見えました。
何だろうと見ていると、それは雲とか煙みたいに白く
でも向こう側が透けて見え、人の形をしているようでした。
電源が切れて、何も映ってないテレビを見ているようです。
「えっ?」と思っていると
その存在が私に気づいたようで、
こちらに顔を向けて、ニコっと笑ったように思えました。
顔の表情や性別などぜんぜん分からないけれど
なぜか微笑んでいるようでした。
私は少しびっくりしたものの
あまり考えすぎると怖くなりそうなので
さっさとトイレに行き、用を済ませましたが
自分の部屋に戻るには居間の前を通る必要があります。
足早に居間を通り過ぎ部屋に戻り
いろいろ思ったり考えたりする前に眠ってしまおうとそのまま就寝。
体験としてはこれだけなんですが
あれは何だったのだろうと今でも思います。
私にとってはあまり怖くない出来事だったのが幸いでした。
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