フレアちゃん
投稿者:ハトヤマ (2)
知り合いのAの話。
Aは小学生の頃、ウサギを飼っていた。
シルバニアファミリーのウサギから名前をとってフレアちゃんと呼んで可愛がっていた。
ある時知らない男が、つがいにして子供増やしてあげるから預けろとやって来た。
1日でも離れるのが嫌だったが、なぜか親が預けろとうるさいし、子ウサギを見たいと言う思いもあって預けてしまった。
その後、いつまで経ってもフレアちゃんは帰って来ない。
預けた相手がどこの人か分からないので様子を見に行く訳にもいかず、親に毎日「迎えに行きたい」と訴えたがはぐらかされ続けた。
しつこく言い続けて親も根負けしたのか、ある時、預けた先で逃げてしまったと告げられた。
Aは酷くショックを受けて、しばらくフレアちゃんを思い出しては泣いていたらしい。
数年後、親戚の酒の席で父親がフレアちゃんは預けた一家で食われてしまった事を半笑いで話しているのを聞いた。
その時、フレアちゃんの一部がAの家の食卓に上がった事も。
フレアちゃんの餌や、その辺で糞をするのが煩わしかったらしく、Aの父親は食べられる事は承知の上で預けたと言う事だった。
今、Aの父親は寝たきりになり格安の介護施設に入れられている。
その施設は介護の質は最低なうえ、職員による入居者への虐待が横行しているようなところだと言う。
Aは父親との連絡はマメにとっているらしい。
毎回、父親が話す内容は施設の酷さを訴えるもので、迎えに来て欲しいと涙ながらに言い続けている。
それに対してAは決まって「直ぐに迎えに行く」と返すと言う。
最後に会った時、Aは言った。
「私がフレアちゃんを迎えに行きたいと言い続けたのは3ヶ月。だから3ヶ月は希望を持たせてあげるの。その後はこう言うって決めてる『お前の食事や下の世話するなんて煩わしいじゃない?我慢しなさいよ。食べられ無いだけましでしょ』と」
復習のために施設に入れられてる人とか実際いそう
ウサギを預けた家も災いが起きればいいのに。
やはり、一番怖いのは人間か。