友達のかなこちゃん
投稿者:きぃ (4)
ある日、実家に親戚の子が子供を連れて遊びに来ました。
小学校低学年の兄妹は体力のある限り、笑ったり、泣いたり、はしゃいだり忙しそうにしています。
「お兄ちゃんかわってー!」
「いや!さっきかわったばっかりなのに!」
ゲーム機を貸す貸さないで喧嘩。
どこの家庭にもあるであろう光景を見て、わたしが思い出したのは、かなこちゃんのことでした。
「昔、友達でかなこちゃんっていたでしょ?「かわって」っていつも言う子」
「え?そんな子いた?」
母の返事はそっけないものでした。
「いたよ!いつも公園で遊んでた子」
「仲良しの子にそんな名前の子いた?同級生の子でしょ?」
「同級生じゃないと思うんだけど…」
「学年違う友達なの?」
そういえば、あの子はどこの学校の子だったんだろう。
田舎の小さな小学校は1学年1クラスしかなく、近所の子供たちはみんなおなじ学校に通っていました。
同じ学校なら学年が違ってもわかるよね…
「そういえば、あの子のこと名前くらいしか知らない…
一人でいるときにしか会ったこともないかも…」
「ねえ、それってイマジナリーフレンドじゃない?」
幼い子供が作り出す空想上の友達。
あの子はわたしが作り出した空想だったのでしょうか。
「でも、実は幽霊ってこともあるよね!」
「幽霊なの?一緒に遊んだのに?」
「怖い話とかでよくある、自分だけが知ってる友達のことを調べてみたら、実は学校に入る前に亡くなってた子だったとか!」
「一緒に公園で遊ぶために化けてでるの?ないって!」
そう笑い飛ばした夜、夢にかなこちゃんが出てきました。
相変わらず可愛い笑顔でわたしに
「いいなあ、かわって」
と、言うのです。
かなこちゃんは何をかわってほしいのでしょう。
怖かった!かなこちゃん人懐っこくて可愛い子だなと思っていたら最後のかわってがとっても怖かった!