曾祖母の顔
投稿者:樹 (5)
人間は皆、両親から生まれ、そしてその両親にも、それぞれ両親がいます。
私にももちろん、両親がいて、祖父母がいて、曾祖母がいます。
しかし曾祖母と記憶のあるうちに会うというのは、頻繁にある事例ではありません。人間には寿命があり、すでに亡くなっているというのも至って普通の話です。
私は幼稚園の頃、かなり人見知りでした。
幼稚園のお迎えは、自分が見知った人、例えば母親や叔母(離婚しているため父親はいませんでした)でないと、泣き叫んで引き取られようとはしませんでした。
ある時、曾祖母が迎えに来ました。当然私は泣き叫んで、引き取られようとはしません。しかも記憶している限り、2度そのようなことがありました。結局、曾祖母の迎えには応じませんでした。
大学生になり、母親と昔話をしていると、先祖の話になり曾祖母の話になりました。母は「曾祖母はあんたが生まれてくるのをとても楽しみにしてたけど、生まれる2カ月前に亡くなってしまってね・・・」と。
驚いた私は、母親に自分の記憶のことを話すと「それはあり得ない。だってあんたが生まれる前に亡くなっているもん」とのこと。
では、私の2度の記憶は一体何なのか?
間違いなく、鮮明に覚えているあの記憶は?
曾祖母が道連れに…いや、それはあり得ないだろう。
むしろ「会いたがっていた」とのことなので、会うために私の夢の中にでも出てきたのだろうか。
よっぽど会いたかったらしい。
そう考えると、泣いて拒否したことに胸が痛む。
そういえば、泣いていたときの曾祖母の顔が悲しげだった気もする…
なんだかほっこりする話ですね!
ほっこりするか?やむなしとはいえ悲しませてるんやし