夢から覚めた先の夢
投稿者:樹 (5)
私が4歳くらいだったと思います。
この頃なぜか特定の登場人物?が出る夢をよく見るようになっていました。その登場人物に「?」がついているのは、それが日本人形だからです。
私の夢に週1回くらいのペースで現れるのですが、決まったパターンがありました。夢の中の場所は色々な場所で、夢のオチは必ず私が日本人形の背中側を見ていると、人形の首だけがこちらに振り返り、おちょぼ口をするというもの。そこで夢が必ず覚めるのです。
2回目、3回目となると「あーまたこの夢か。最後の人形の顔がどうも怖いんだよな」と夢の中で思うようにもなりました。
ある時、同じように夢に人形が現れ、いつものパターンで目が覚めました。いや、覚めたつもりでした。
ふといつものベットから見る天井が見え、オレンジ色の豆電球が光っており、「またあの夢見た…」と思い頭上の時計を見ようと思うと、時計の隣にあの人形が…
「え?うそ?夢覚めたよね?」と思っている間に、少しずつ人形の首がこちらに振り向きます。あの顔です。
「うわ。こわ」と思った途端、なぜか急に私の魂が飛び出したのか、次のアングルはベッドの上で人形を見ている私を「天井から見ている」視点でした。
当時はそんな言葉を知りませんでしたが、まるで幽体離脱したように、天井に自分がいて、下にいる自分と人形を見ているのです。
と、思っていると急にベッドの私の下に、暗い大きな穴が空き、私は絶叫と共に暗く・深い穴に落ちていきました。
そうして最後に残っていた人形が、あの顔でこちらを見たのです。
以後人形の夢を見ることは、ぴたりと止みました。あの夢が何を意味していたのか、そもそも幽体離脱するのも夢だったのか。それにしては妙にリアルな感覚だけが残っています。
落ちていった私はどうなったのか、今現在ここにいる私は本当に「私」なのでしょうか。
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