プリクラに写った「いないはずのもう一人」
投稿者:晴れ女 (2)
私が小学生の頃、「プリント倶楽部」がすごく流行っていた。
現在のようなハイテクな「プリクラ」ではなく、流行り始めたばかりのフレームを選んで写真を撮ればそれがシールになる昔の「プリクラ」だ。
街中へ行けば、プリクラを撮ることができたが、まだ小学生で、やや田舎に住んでいた私は中々、家族で街中へ出かけた時くらいしかプリクラを撮ることがなかった。
数年経って、現在流行っているプリクラに近い、ラクガキなどもできるプリクラ機が新しく出始めてしばらくすると
地元のスーパーの中にある100円ショップにプリクラ機が設置されることになった。
100円ショップにあるプリクラ機だけに、ゲームセンターにあるようなものよりは少し機能や画質が劣るが、その分値段も少し安かった。
毎日のように友達とプリクラを撮るために、放課後はそこへいくのが日課のようになっていた。
田舎のスーパーの中にあるこの貴重なプリクラ機はとても人気で毎日行列ができていた。
そして学校へ行くと、みんなでプリクラを見せあったりするのがその頃の私たちの楽しみだった。
ある日、クラスのみんなでプリクラを見せ合っていた時、いつも二人組でいる女の子たちのプリクラを見ていると
その女の子たちは、二人とも両手を使ってピースをしているのに
二人の間に、もうひとつ何者かの「ピース」が写っていた。
「ねえ、これ誰?」と私が聞くと
その子たちは、顔を見合わせて、
「わかんないんだよ!めっちゃ怖くない?」「やっぱおかしいよね?!」と言ってきた。
いつも二人組で行動しているこの子たちは、この日も二人でプリクラを撮りにいったらしい。
「えーでも、あれじゃない?後ろに並んでた子がふざけて手だけ入れたとかじゃない?」と私が言うと
「え、ありえなくない?さすがに誰か入ってきたら気づくでしょ!」
確かにそうだ。
カーテンがついているとはいえ、何者かがカーテンの中に入ってこようとするだけで気づくし、さらに彼女たちの後ろに周りこむなんて考えにくい。
かといって幽霊?そんなわけないよね。
しかもうっすらとかではなく、はっきりと写っている。
左側にいる女の子の肩の上あたりにはっきりとピースサインが写っているのだ。
すると、別の女の子が
「あー!そういえばなんかあれらしいよ。機械の印刷するときのなんかで、前の人の画像が少し残ったりすることがあるらしいよ!」
「え!そうなの?」
「うん、なんかそういうこともあるらしい」
「そ、そーなんだ。幽霊とかかと思っちゃったよ。まじビビる〜」
その場にいた全員が、これはもしかして幽霊なのではと考えていたところに天の一声だった。
よくよく聞くと、その日後ろには誰も並んでいなくて、本当に誰の手なのか全くわからなかったから、真剣に幽霊なんじゃないかと思ってたらしい。
ありえなくない の反対語は ありえない
なんだろうか? ありえるなんかな?
逆にヤバいの反対語は正にヤバくないだろね!