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不思議体験

峰さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

奇妙なマンションの外階段
長編 2021/10/24 21:16 6,262view
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知人Aから聞いた話である。

10年ほど前、Aはとある奇妙な夢を繰り返し見ていたという。

夢の内容はいつも同じだ。

気がつくとAは、見知らぬマンションの外階段を昇っている。

他に人影はない。空を見ると真っ暗で、おそらく真夜中であろう時間だ。

真っ暗闇の中、非常灯だけがぼんやりと光る外階段を、たった一人で上に上に昇っている。

昇りながら、Aは、ここは一体どこだろうと考えている。

マンションの外観も、外の景色も、見たことがない。記憶にない。

Aはすでに階段の半分以上を昇っており、下を見ると地上がはるか遠くに見える。だが、上を見上げるとまだだいぶ先が遠い。

何階建てかはわからないが、かなり大きなマンションなのだろう。

階段は古く、雨風に晒されて、ところどころが錆び付いている。

Aが踏みしめるたびに、ギシリギシリと嫌な音がする。

ただ、夢の中だからか、風や匂いは全く感じないという。

そのまま夢うつつで階段を昇っていると、ふと下から人の気配を感じる。

下を見ると、はるか下の方から、カンカンカンカンと階段を駆け上ってくる音が聞こえる。

実際にはそんな音聞こえないのかもしれないが、夢の中のAにはハッキリと聞こえるのだと言う。

思わず足を止めてじっと下を見ていると、やがて、階段を駆け上ってくる人影が見えるのだそうだ。

カンカンカンカン!

カンカンカンカン!

猛スピードで昇ってくる人影。

その人物の姿が、ある瞬間、やけにくっきりと認識できる。

それは、中年の女だ。

満面の笑みを浮かべた女が、真上にいるAに向かって顔を向けたまま、物凄いスピードで階段を駆け上がってくるのだ。

Aはギョッとして、大慌てで女から逃げるように階段を昇り始める。

途中の階で止まり、マンションの中に入ろうとするのだが、非常扉はなぜか施錠されていて入れない。

急いで次の階に向かうが、やはり扉が開かない。

次の階も開かない。

次の階も開かない。

そうしているうちに、女はどんどんAに追い迫ってくる。

Aは半狂乱で階段を駆け上がる。息が切れて足が重くなってくる。

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コメント(2)
  • 予知夢の一種なのかな?

    2021/10/25/14:33
  • 予知夢に近いですね。
    こういう人と出会うというメッセージだったのかも┅?

    2021/12/14/06:34

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