リビングにいた髪の長い知らない女性

私は霊感がとても強いです。
学生時代に、神社で巫女さんのアルバイトをしていたのですが、一度霊の声が耳元で聞こえて以来、色々なものが見えたり聞こえたりするようになりました。
関係あるかはわかりませんが、私の母方のご先祖に、名のあるお坊様がいるので、そういった血縁も、霊感を持っている理由の一つなのかなとも考えています。

その為、心霊体験というものは、割と日常的に感じています。
そのうちの一つをご紹介します。

これは、つい最近の自宅での出来事です。

私の家は、リビングから姉の部屋・母の部屋と続いています。
私はいつも母の部屋で母と一緒に寝ているのですが、何の気無しに、夜中にふっと目が覚めました。

時刻は午前4時半。

目が覚めた瞬間、異様な重苦しい空気感と、人の気配を感じました。
言葉にはしにくい、何とも言えない気持ち悪さ…明らかに、異常な雰囲気が漂っていました。
しかし、母は隣で何も気付かず、すやすやと寝ています。
私だけこの異常な空気を感じ取っているのです。
「これはヤバイかも…」
と思いながらも、恐る恐る気配がある方へ目をやると…
リビングに誰か立っているのです。
髪の長い知らない女性が、じっとこちらを見て立っているのです。

「…誰‼︎?怖い怖い、来ないで、来ないで‼︎」

とあまりの恐怖に布団を被り、心の中でひたすら祈りました。
すると近づいてくるわけではなく、何かをしてくるわけでもなく…その女性はただ立っているだけで、特に被害はありませんでした。
ただ、じっとこちらを見ている雰囲気が、とてつもなく恐ろしかったのです。

その後いつの間にか眠ってしまった私は、朝起きてから
「昨夜のあれは夢だったのかな…。お母さん気付いてないみたいだし。」
と思い、家族を怖がらせるのも嫌だったので、誰にも何も言わない事にしました。

ですが、唐突に呟いた姉の言葉に背筋が凍りました。

「…今朝4時半頃にリビングに居た髪の長い女の人って誰？」

…夢じゃなかったようです。