墓場の坂を下りてくる人
投稿者:T.N (2)
これは、北海道の祖母の家で体験した話です。かなり幼少の頃の話なので明確ではないのですが、祖母の兄弟の法事で北海道の有名な港町を訪れていました。祖母の兄の奥さんは足が悪く、法事ののち父親がその大叔母さんを車で家まで送っていきました。
この大叔母さんの家は、坂の上にあるお寺の向いにあります。このお寺の隣には、本州の都会ではすこし見かけないのですが、墓地が塀などなしにオープンな状態で広がっているのです。
母親は、足の悪い大叔母を車から家まで付き添っていきました。ワゴンの中には、私、父親、祖母、妹の四名が残っていました。しかし、すぐ帰って来るはずの母親がなかなか帰ってきません。
すると、祖母が突然妹に向かって言いました。
「Aちゃん、お母さんまだ帰ってくるまで時間かかるから寝てていいよ。」
すると、先ほどまで鬼のようにしゃべりまくっていた妹が突然ぐったりと眠りはじめたのです。父が言いました。
「お義母さん、ありがとうございます。お前も寝てろ。」父は乱暴に私にいいました。そんな言い方されたら逆に眠れません。
「そうねー、でも『父』さん、『私』くんはこういう時眠れないかもね。」
運転席と助手席で変な会話をしている二人。私はなんとなく嫌な感じがして、母が入った大叔母の家をじっと眺めていました。
すると、祖母が言いました。
「ああ、『母』が帰ってきたわ。『父』さん、エンジンかけましょう。」
父は少し顔をしかめてます。祖母が指さしているのは、大叔母の家の玄関なんかではありません。墓場のある坂の上を指さしているのです。確かに、墓場のある坂の上から白い綺麗な着物を着た女の人が日傘をさして歩いてくるのが見えました。父はごにょごにょ何か言っています。とたんに、祖母が言いました。
「ごめんごめん。間違えちゃった。人違いだわ。」祖母が笑っています。
「そうですね。」父が無表情に祖母に答えています。父の顔色がおかしいことを気にしながら、もう一度坂の方に目をやると、白い綺麗な着物をきた女の人はもういませんでした。私は単純に疑問に思って祖母に質問しようとしました。
「ねえ、おばあちゃんあの…」ここまで言いかけた時です。
「しゃべるな。馬鹿たれ。」父がマップル(当時の地図帳、今もあるかも)で、後部座席から私の頭を殴ったのです。
「ごめんね。『私』ちゃん、気にしちゃだめよ。」祖母が慰めてくれて、父親への恨みを募らせてべそをかきながら後部座席に戻った時のことです。ぐっすり眠っている妹の窓に、人の顔がくっきりと映っていたのです。それは白い着物を着た中年女性でした。目を皿のようにあけ、くちも大きくあけて、じっと何かを見ています。ぐっすり眠っている妹を眺めているのです。何か悪いものを感じた私は、相手を追い払おうと身構えた瞬間です。
「『私』ちゃん、静かにするのよ。」祖母が強い語気で私にくぎをさします。
「騒ぐなよ。」父も、バックミラー越しに渡しをにらみつけます。
すると、すっとその中年女性は窓から顔を離して、坂を下って消えていきました。
「おばあちゃん、いまの.」と言いかけると、父が静かに私を窘めました。
「黙れ。とにかく静かにお母さんを待て。」
ちなみに、このあと息を切らして帰ってきた母親に対して、父親は車の鍵をしばらくあけなかったので、少し喧嘩になっていました。
ちなみに、父には白い着物を着た女の人は見えていなかったそうです。何もない所をさして祖母が「母」がいると騒いでいたこと、また祖母が、優しい声を出しながらも後方にいる何かをにらみつけているのを見て、「騒がない方がよさそう」と思ったのだそうです。(なので、騒ごうとした私をたたいたと。)
あの女性は一体何だったのでしょうか?
謎が多々ある所がリアルっぽくて怖いね
なんとなく八尺様を思い出しました
話自体はなかなか面白かったのですが、
文章がときどき分かりにくいのがマイナスでした。
特に気になったのは、
『私』くん
という表現です。
おそらく洒落怖やまとめサイトなどで、登場人物が1さんを呼ぶ際の呼称「私くん私ちゃん」の意味で使われたと思うのですが、このような投稿サイトの文章表現としては不自然といいますか、ノリが異なるかなと思います。
それから、妹や父、祖母に『』をつける必要はなかったと思います。
今後のお役に立てていただければ幸いです。
父親の理不尽さに呆れて話が頭に入ってこないw
父親は何もわかってなかったんかいw
単に自身の恐怖から子供に当たってるようにしか思えない