憑いてきてプリクラに写る幽霊
投稿者:半人 (1)
25年ほど前の話です。私は中学1年生でした。
ある休日、小学校からの同級生と、その卒業した小学校に隣接する公民館へ行ったのです。
施設にはいくつかの無料で借りられる部屋があり、私たちは時々その中の小さな図書室で、勉強するという体でお菓子などを持ち込み、
部屋にある漫画本を読んだり、たわいないおしゃべりをして楽しんでいました。
受付で簡単な手続きをして、「今日も漫画を読も~」などとわくわくしながら図書室の扉を開けました。
部屋は8畳ほどでしょうか、扉を入って中央には会議室によくあるような木目のある角張ったテーブルとパイプ椅子、左手の壁側には背の高い本棚、
正面の突き当りには上半分に窓、その下に背の低い本棚が設置されていました。
正面の窓のカーテンがふわふわと揺れています。私たちはそこであれ?と立ち止まりました。
カーテン揺れてるな…窓、開いてないな。
認識すると同時にカーテンがぶわっと大きく翻ったのです。
何が見えたわけでもありません。窓はよく見れば開いていたのかもしれません。
けれども私たちは、おそらく同時に、説明のし難い違和感と、何か目に見えない、人のいるような気配を感じたのです。
「…え?」「きゃああ~~!!」二人で顔を見合わせ慌てて公民館から逃げ出しました。
「なに今の~こわかった~!」「何かいた気がしたんだけど!」
その後、気持ちを落ち着けようと、私たちは乗って来ていた自転車で、近くのデパートへ遊びに行くことにしました。
友人と過ごしていると楽しくて、恐ろしかった気持ちはすっかり無くなっていました。
当時、出て間もないプリクラを撮ったりして、その日は帰宅しました。
しかし翌日、その友人がクラスメイトにこのプリクラを見せた時、言われたのです。
「あ、これ心霊写真だね」
このクラスメイトの女の子は以前から霊感があることで、私も知っていました。
撮った時は気付かなかったのですが、私たち二人の間に輪郭の無い男の顔のようなものが、のっぺりと写っていました。
デパートで遊んでいる時も、ずっと一緒にこの男がいたのだろうか…想像して私はゾッとしてしまいました。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。