海で本当に連れていかれそうになった体験

私はあまり泳ぐのが得意ではありません。昔から太っているわけでもないのに、よく体が沈みがちで泳ぎも不得意でした。
そんな私が海に行った理由は友達に誘われて仕方なくです。しかも最初は川に泳ぎに行くという話だったのですが、ある友達が浮き輪を持ってきていて、「海に行きたい」と言い出したことで、急遽海に泳ぎに行くことに決まったのです。

その日の波がすごかったのか、それともその海はいつもこの流れなのか分かりませんが、すごく流れが速い場所でした。友人2人は泳ぐのが得意だったのでそのまま海に入って泳いでおり、私と他の2人は浮き輪に捕まっておそるおそる海に入りました。遠くのほうでサーフィンをしている人もいたので、おそらくそういう波が早いところだったんだと思います。

それでも最初は浮き輪があったことで、なんとか浮けていました。そんなときに浮き輪に捕まっていない友達が急に私たちの足を引っ張るという悪戯を仕掛けてきて、キャーキャー騒いでいました。私も足を引っ張られて「やめてよ～」なんて言ってたのです。しかし、相手は「私じゃないよ」と言い、否定しました。わざと言っていると思っていた私ですが、急にまた足が掴まれてぐいっと下に引っ張られました。

またやってると思った私ですが、よく見たらみんな海から顔を出していて、ある程度の距離もあったし、物理的に引っ張るのは無理です。「じゃあ足引っ張ってるこれ誰！？」とパニックになった瞬間、思いっきり足首を掴まれて私はすごい力で海中に引きずり込まれました。

後の記憶はあまりなくて気づいたときには病院にいて、どうやら海でおぼれそうになったところを近くにいたサーファーの人に助けられたらしいです。足首を見たら明らかに人の手と思われるものに掴まれた痣ができていて、ゾッとしました。位置関係から見てもあのとき、どうやっても私の友達は私の足首を掴むことができないはずなのです。じゃあ誰が私の足を掴んで溺れさせようとしたのでしょう。

夏になると海での水害事故は多いですが、その内のいくつかはこのようなホラーな存在の仕業なのではないかと私は疑ってしまいます。