怪異は怪異の話に寄ってくる…?
投稿者:ぴ (414)
私は特に霊が見える特異体質とかではなく、今まで怖い霊体験に遭遇したことなど一度もありませんでした。しかし、怪異は怪異の話に寄ってくるのかもしれません。私のクラスの担任が霊感体質だったんです。その先生に怖い話を聞いた日の夕方に私は怪異に初めて遭遇しました。
私はその日親に言われて、犬の散歩に出かけました。普段は親も一緒に行くのですが、その日は親が残業で行けないから行ってきてというのです。家の近くに公園があり、そこまででいいというので、私は一人で散歩に出かけました。うちの犬は興奮気味リードを引っ張り、私は仕方なくついていくという形です。
こうしてやっと公園に付き、私は一休みしようとしてベンチに座ったのです。
公園はその日は全然人がおらず、これまで来た道も人通りが異様に少なかったです。いつもは近所の人とかも多い通りなのに、その日はまったく誰一人と知り合いに会いませんでした。ちょっと寂しいなと思ってたら、公園にやっと人がやってきたのです。私は昼間に聞いた怖い話も思い出して怖くなっていたので、人が来ただけで安心してその人を見てしまいました。
しかし、私はその人の様子を見て思わず鳥肌が立ちました。それは髪の毛の長い女の人で、右足を引きずりながら私が座るベンチの前をゆっくり横切っていきました。普段は知らない人がいても誰彼構わず懐くはずのうちの飼い犬が低い声で唸っているのもおかしかったです。今まで聞いたこともないような低い唸り声でちょっと震えているようにも見えました。私は異様な様子の女性をチラチラ見ていたのですが、公園の端っこまで行ったかと思うと突然、ぱっと消えてしまったんです。
人間って本当に驚いたときに声は出ません。私はこれを目撃した後、声もなくパニックになり、犬を連れて一目散に家に逃げ帰りました。この話をしても家族は誰も信じてくれないのですが、唯一信じてくれたのはあの日怖い話をした担任の先生です。この先生だけは私の話を真剣に聞いてくれました。それはとても安心しましたが、それでも今振り返って思います。
それまで霊感がなかった私にあのような体験が起こったのは、この先生にも原因はあるのでは?と。今まで霊感がない私が突然あんな場面を目撃してしまうだなんて、この先生の怪異の話に引っ張られてしまったのかもしれません。
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。