ホラー映画「バースデイ」を観た後の恐怖体験
投稿者:美月 (1)
もうかなり前ですが、有名なホラー映画「リング」の「バースデイ」を友人と二人で見に行った時のこと。
有名なあの貞子の生い立ちとどうして亡くなってしまったのか…そういう経緯を紹介するような話でした。主演の仲間由紀恵さんがとても印象的でした。
不気味さや怖さの中に悲しい物語もあり、ただ「怖い」というにはもったいない作品でしたので、映画鑑賞後に早速友人と話そうとしていました。
エンドロールまで見て、館内が明るくなったので立ち上がり、帰ろうと席を立ち出口ヘ向かおうと振り向いた瞬間に、それは起こりました。
遠くの方に、黒いオーラで囲まれた何かがいるんです。出口は開け放たれてドア付近は凄く明るいのに、そこだけ異様に真っ黒なんです。
そして映画を見終わった観客たちは、何事も無いようにぞろぞろと出口から出ていくんです。
私と友人が座っていた席はスクリーンに近かったため、後方の座席の人たちが出てから出ようと待っていたのですが、誰も何も言わないし、そのままドアの所を通り過ぎていきます。
外からは「怖かったね」とか「もう見たくないくらいやばかった」とか、あのシーンはどうとかこうとか、はしゃぐ声が聞こえてきます。
思わずくすむ足を何とか動かし、友人とともに出口へ向かいます。
そして、気づきました。黒いオーラに囲まれた「何か」は、紛れもなく「映画の貞子」でした。
私自身、結構見えてしまう人なのですが、とても信じがたい。だって、映画の主人公(フィクション)がそこに立っているなんて。映画と同じあの真っ白いワンピースで裸足で。そして誰も気づいていないんです。
本当に怖くなり、私は友人に「ねぇ。あの出口…あれ見えてる?」と恐る恐る聞くと…「やっぱり。いるよね…」とか細い声で返答がありました。彼女もまた見える人でした。「絶対に目を合わせないように出よう」と、二人で気配を消して出ました。立っている彼女の手の届かないように、なるべく遠くに離れて出ました。
その後、友人と「本当に怖かった」と話しながらプリクラを撮影し、食事をして、その日は帰りました。
その1ケ月後位でしょうか。
その友人と電話していたのですが、ふとあの映画の時のことが気になりました。
「あの日さぁ、本当に怖かったよね!だって私と〇〇ちゃん以外には誰も気づいてなかったし…」と怖いので少しテンション高めに話しかけました。
そして、その直後、私は全身の血の気が引きました。
「え、映画?何の映画?てか、何の話???」「え?、観に行ったじゃんリングだよ、リング!」「リング?貞子の?やだー、あんな怖いの見に行く訳ないじゃん!」
「え??一緒に〇〇日に二人で行ったじゃん!どこどこの映画館でさ!」「え?違う友達とじゃない?だって私怖いの苦手なの知ってるでしょ?」
「え・・・・え?」・・・・そうだ!あの日のプリクラ!一緒に撮った!「あ、これこれ!…確かに一緒に一緒に写ってるよ!リング怖かったって落書きあるよ!」
最初、友人がふざけているのかと思い、「ねぇー!!怖がらせないで。わざとでしょ、忘れたふり!」と無理やり大きな声を出して話しかけました。
でも、良く思い出してみると…確か待ち合わせの少し前に「ごめん。体調悪くなって今日行けなくなっちゃった、ごめん」と書かれた1件のメールを見つけました。
そう、あの日のメールです。「大丈夫?全然イイよ!でも観たい映画だから一人で行ってくるね。お大事にね!」と返信をしている私。
そこからの記憶があいまいなんです。でも手元にはプリクラとあの日の映画の半券…。
一体、あの日、私は誰と待ち合わせをして、誰と映画を見て、プリクラを撮り、夕食を済ませたのでしょうか。
そして、あの出口で見たものは…。今でも、思い出すとぞくっとします。
見えるんだけじゃなく、混乱もするんだね。
頑張ってください。
普通に怖い