北枕で寝るのはやめました

20代になってよく「金縛り」にあうようになりました。はじめは怖かったけれど夢のようなものだと教えられたので気にせず眠れるようになった頃の話です。

私の部屋のベットは窓際に置いてあって、窓の外にはベランダがあります。

当時、不眠気味だったので「北枕の方が安眠できる」と言われ北枕にして寝ていたんです。

ある夜、金縛りになって「あーまたか」と思いながら何とか寝返りをしようとしましたがこの時に限って動けなかったので仰向けの状態で寝ていました。

すると、何だか音が聞こえるような気がして目が覚めると鈴のような音がするんです。なんだろう？と思いハッキリと目を覚ましてしまったんですが、ベランダから聞こえてくるのは鈴だけではなくお経でした。

レースのカーテンのみで寝ているので、うっすらとベランダの様子も見られるのですが、怖い物見たさでそっと目線を移すとそこには、明け方の日の光で見えたのは、托鉢のお坊さんのような姿。

私の方を向いて読経しているんです。

これはなんだ？と思いつつ、自分に向かって何故お経をあげるのか気になってそのまま寝たふりをしながら聞いていました。

はじめは怖かったけど、段々と腹が立ってきてガバッとベットから身を起こしたらお坊さんらしき人はいなくなり、さっきは明け方だと思っていたのに外は真っ暗でした。

時計を見ると2時15分。もしかして連れて行こうとしていたのかもしれません。

その日から北枕で寝るのはやめました。