おじいちゃん騒動「爆弾とプリクラ」
投稿者:廉 (8)
中2の夏、父方のおじいちゃんが亡くなった。
私が生まれる前に脳梗塞を発症し、ウーウーという発声と右腕を動かしていつも何かを伝えていた。
ベッドに腰かけ、立ち上がることは出来なかったが私と姉が会いに行くと喜んでいるのは明らかだった。
いよいよ危ないということがわかり、母は毎日のようにお見舞いに行っていた。
姉となんとなく、今日辺りにおじいちゃんは亡くなるかもと話していたので大して驚かなかった。
葬儀会場で親戚一同寝泊まり。
0時を過ぎる頃には横になってウトウトしていた。
夢なのか、頭上で爪先を私に向けておじいちゃんが立っている。
何か言っているが聞き取れない。
目が覚めると側で寝ていた姉も寝ぼけ眼。
「おじいちゃんに爆弾あげた?」
急に姉が話し出した。
あぁ、そう、爆弾って呟いていたと私も思った。
私も姉も顔を見合せ?マーク。
おばあちゃんが話し出した。
「そうそう、あの人はバクダンが好きだったね」
ビールと焼酎を混ぜたものをそう言うらしい。
病気でずっと我慢していて、死んだんだから飲みたいと私たちに訴えて来たんじゃないかとおばあちゃんは言った。
おじいちゃん騒動はこれで終わらない。
納骨後に初めて墓参りへ行った。
その帰り、私と姉は当時大流行していたプリクラを取った。
その時は気付かなかった。
数日後、2人で並ぶ私たちの間に影があることに気付いた。
影は日に日に濃くなっていく。
それはどう見てもおじいちゃんの顔。
孫好きだったおじいちゃんは付いてきてしまったのかも知れない。
一時期友人知人間でも有名になったプリクラに写る幽霊のおじいちゃん。
そのプリクラはいつの間にかどこかへ行ってしまった。
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