消えた自転車のおじさん
投稿者:梨 (7)
短編
2021/08/19
13:59
1,712view
私が小学生の時、友達とそろばんを習っていました。
東京から近いベットタウンに住んでいましたが、
夜になると街灯は20メートルおきくらいにしかついておらず寂しい道でした。
ある日のそろばん塾の帰り、暗い帰り道を友達と離れないように歩いていました。
すると、何の音もしなかったのに自転車に乗ったおじさんが私たちを追い越していきました。
友達と顔を合わせ、
「自転車の音聞こえた?。私聞こえなかったから、ちょっとビックリした」と言ったら、友達も聞こえなかったというのです。
2人でまた顔を見合わせ不思議がっていると、その自転車が、キキーっと急に止まり、向きを変え、私たちの方へ向かって走り始めました。
私たちは「キャー」っと大声を出して、近くの同級生の家まで一目散に走り、ピンポンを壊れるほど押し事情を話しました。
すると、そのご近所さんたちがみんなすぐに出てきてくれてさっきの自転車を捕まえようとしてくれたのです。
ところが、大人が何十人かで1キロ圏内を探してもその自転車のおじさんはいませんでした。
同級生の家まで追いかけてきたはずのおじさんは、そのまま姿を消してしまいました。
でも私は見つからなくてよかったのかなとも思っています。
自転車のおじさんはたぶんクラスメイトのお父さんだったので。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 11票
え?
天才的w