成仏して欲しい話
投稿者:梨 (7)
私は田園風景がまだ残る田舎で育ちました。
小学生の時には編みとかごを持ち、セミをとったり、ザリガニとりのために水路に仕掛けを置いたりと男の子に混ざって遊ぶのが好きでした。
そんな田舎ですから空き地も沢山あり、かっこうの遊び場になっていました。
ある日、「女は連れていけない」と男の子だけで小高い山に遊びに行ってしまい、とても寂しい思いをしたので、
「次は絶対に一緒に連れて行ってね」と念を押しました。
それでも毎日男の子だけで山に遊びに行ってしまいます。
私はとても気になり、いてもたってもいられませんでした。
そして、ある日、とうとう我慢が出来なくなり、男の子たちが自転車で山に行く後を気が付かれないようにしてついていきました。
自転車は近くの農家に置かせて貰い、気配を隠し、男の子達が何をやっているのか、しげみから覗いてみました。
すると「今日も飛び跳ねられる!何なんだろうな?これ」と何かを囲み、蹴ったり飛び跳ねたりして
遊ぶというより何かを調べているようでした。
気になった私は、次の日「今日こそは私も行く!」と無理やりついて行きました。
男の子も私には喧嘩では勝てないことを知っていたので、
「絶対に怖がるなよ!」とその場所へ行きました。
私は初めてその場の土を踏んでみました。
そして土なのにプカプカするのです。
「何!これ?」と私も味わったことのない足の感覚に怖さを感じました。
そして「今日は、掘ってみるか」と男の子が言い出し、掘ってみると
犬が出てきました。
私達は、亡くなった犬を埋める山だとは知らずにいたのです。
本当に申し訳ないことをしたと飼い犬を見ながら思うのです。
どうか成仏してね・・・と。
お墓ではなくて・・・?
どういう理由でそこに埋められてたんだろ・・・