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ヒトコワ

カス次郎さんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

たぶん危ない奴の家に泊まった話
短編 2021/08/17 23:27 4,173view
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社会人になって3年目の夏のある金曜日、大学時代の仲間と3人で飲む機会がありました。

大いに盛り上がり、無事終電を逃した僕たちは、いつものようにネカフェで世を明かそうと思いましたが、友人のKが会社の後輩の家が近いから泊めてもらおうと言い出したので、僕も乗っかることにしました。もう一人は遠慮してタクシーで帰りました。

20分ほど歩いてKの後輩(以下U君)の家に着きました。驚きました。
20代前半の男の一人暮らしなのにかなり広い2LDKなのです。
凄いね〜稼いでるね〜と言うと、U君は「親が勝手に決めた物件で恥ずかしながら家賃は出してもらってるんです」と言っていました。

挨拶と雑談もそこそこに、結構飲んでしまった僕とKは寝かせてもらうことに。
Kはリビングのソファで、僕は普段は物置として使われている殺風景な部屋に布団だけ敷かせてもらい寝ることになりました。

とにかく眠かった僕は、すぐに横になり目を閉じました。おそらく1分以内に寝たと思います。

どれくらい経ったころかわかりませんが、ふと目が覚めました。
暗い部屋ですが、目を開けると布団の足元のほうに人のシルエットがあります。

K?U君?声をかけようとしたその時、そのシルエットの人物の手に包丁のようなものが握られているのが見えました。

僕は「強盗に入られた!!2LDKだからだ!!」と、わけのわからないことを考えていましたが、とりあえず怖かったので目を閉じて寝たフリをすることにしました。
心臓はバックバクでした。

その人影は全く動かず、僕の足元に立ち、ジッとこちらを見つめているようです。

どれくらい経ったでしょうか。その人影がフッと動く気配がありました。
30秒ほど待ってから恐る恐る目を開けてみると、そこにはもう誰もいませんでした。

とりあえず怖すぎたのでソーッと家を出てタクシーで帰りました。
Kはリビングに置き去りにしました。

翌朝、Kから「なんで先に帰ったんだよ〜」とLINEが来ていたので、
「夜中に足元に包丁を持った幽霊が出たから怖くて帰った」とだけ返しました。
KはそれをU君に伝えると、U君は「夢じゃないっすか?w」くらいの反応だったそうです。

やっぱり夢だったのかな〜と思ったのですが、翌週からU君が会社を無断欠勤したまま連絡も取れず、いつの間にかあの2LDKの家も引き払われてたというのが結構怖かった思い出です。

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コメント(1)
  • これはKに横恋慕する語り手への警告…?

    2021/11/13/09:09

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