あまりにも父に似ている父の叔父
投稿者:fit (10)
現在70歳になる私の父は幼いころ、関西圏にある借家の長屋で私の祖父母である両親と曾祖父母、そして父の叔父と叔母と父のきょうだいという大家族で住んでいました。
父の叔父は戦後すぐから自衛隊の前身である警察予備隊に所属していました。
訓練のために父の叔父は長期間自宅である長屋を離れていましたが、時折休みで帰宅するとまだ2~3歳の父とよく遊んでくれたそうです。
しかしながら父の叔父は訓練中の事故により重傷を負い、それがきっかけで破傷風を発症してしまい亡くなってしまいました。まだ20代前半という若さでした。
その父の叔父が亡くなってから初めてのお盆を迎える夏、父の一家は昼食を部屋で食べていたそうです。
すると当時まだ3歳だった父親が突然庭の方を指して「予備隊のおっちゃんがそこにおる!」と叫んだそうです。
その家には部屋の奥に庭と言うには小さすぎるのですが、コンクリートで固めた広さ1畳程度の庭のような場所があり、そこで父が遊んだりすることもあったようです。
比較的霊感の強い私の祖母が庭の様子を見たそうですが、全く誰もいなかったそうです。そしてその庭は外の道にも全くつながっておらず、他の似ている誰かが入ってきたという状況でもなく、当然ながらすでに亡くなっている父の叔父が立っているはずはありませんでした。
結局真相は分からないままでしたが、父が成長するにつれて父の顔は徐々に遺影の父の叔父の顔とそっくりになっており、父の実父である私の祖父よりも断然似ていました。そして私が生まれて幼いころは、その遺影を見て父とよく間違えたものです。
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