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kakiokaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

中仙道に現れた異世界
短編 2026/09/02 13:13 45view

中仙道、国道17号沿いに私は産まれた。
川で言えば利根川。電車で言えば高崎線。
東京の私立校に通っていた私は成績不振もあり、進路に迷っていた。一年がすぎ、車の免許も取り、大学よりバイトのほうがきになりだした。社会にでるのだ。
とりあえずコンビニでバイトした。今はないセーブオン。すぐに派遣会社にも行きだした。
学校とはあまりに違う常識に戸惑う日々だったが、東京とは違いみなれた風景のなかで楽しい青春だった。表向きは。
一つの観念が私の頭に浮かび、年々それは肥大化していった。それはこの中仙道地域が異世界なのではないか、ということ。より具体的には、日本の中でも特殊な地域なのではないかということだ。

昔深谷駅に特急をとめた荒船清十郎。
籠原をすぎると異世界だという都市伝説。
本庄の駅付近は治安がわるく身構えたという昔話。
高崎出身のボウイやジョイ。桐生の篠原涼子。秩父の冠二郎、藤原竜也、林家たい平、設楽統。アルフィーの櫻井。…といった中山道出身のミュージシャンやタレントたち。革新的な群馬知事の山本一太もいる。
彼らは実際に世の中を動かす力があり、私はそうではないわけだが、彼等の作り出した、または彼らを作り出した中山道世界に私もまた生きているのだ。

未来の歴史には彼等が記されるだろう。しかし、私達もまた同じ時代の、彼らのいわば影をいきている存在なのだと、どうにもならない世の中の不条理を嘆きつつ思う。

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