大学三年の夏。
怪談会での失敗を引きずっていた清水さんは、どうしても今年こそ見返してやりたかった。
友人や知人に聞き込みをし、怪談を集めて回った。
だが、思うような話は集まらない。
何とか数話は確保できたものの、予定していた数には届かなかった。
そこで彼は考えた。
――いっそ、自分で作ってしまおう。
どうせ創作なら実話怪談ではなく、都市伝説のような話がいい。
本当にあるのか、ないのか。
そんな曖昧な怖さを持った話。
そうして最初に決めたのはタイトルだった。
清水さんは昔から怪談が好きだった。
その中でも「裏〇〇」や「闇〇〇」といったタイトルに妙な格好良さを感じていたらしい。
だから自分の怪談にも、そういう名前を付けたいと思った。
そしてある日。
動画サイトで『ひとりかくれんぼ』を扱った映像を見ていた時だった。
不意に閃いた。
ひとりかくれんぼは、見知らぬ何かを呼び寄せる儀式だ。
ならば――。
特定の死者を呼び出す儀式だったらどうだろう。
そうして生まれたタイトルが、
――『裏かくれんぼ』。
後になって清水さんは、
「裏技みたいな意味にもなるかなって」
と笑っていた。
もちろん、その時は深く考えていなかったらしい。
タイトルが決まると、今度は儀式の内容を考えた。
基本はひとりかくれんぼ。
だが細かな部分を変えていく。
死者の遺髪や遺骨を使うこと。
ぬいぐるみには死者の名前を付けること。
テレビの音を消すこと。
押し入れから出てはいけないこと。
そして最後には必ずぬいぐるみを燃やすこと。
もし処分しなければ、死者との繋がりが強くなりすぎる。
あるいは別の何かが入り込む。
そんな設定も加えた。
そして儀式のルールが出来上がると、いよいよその儀式にまつわる怪談を書き始めた。
内容はこんな話だった。























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