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不思議体験

Daydreamさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

霧の中で見た物
長編 2026/08/01 14:19 248view

俺がまだ二十代前半だった頃の話だ。

車が何よりの趣味だった俺は、休日になると愛車を走らせ、夜景を見に行くのを楽しみにしていた。

当時は女性の友人も多く、毎週のように違う女友達を助手席に乗せて、山や海へと出かけていた。

恋人ではない。

ただ気の合う友人同士で、夜景を眺め、音楽を聴きながら他愛もない話をする。

そんな時間が好きだった。

――だから、あの日も。

最初は、いつもと何も変わらない夜になるはずだった。

その日、一本の電話が鳴った。

「△山の夜景が見たい!」

電話の主はA子だった。

A子とは五年以上の付き合いになる。

頭の回転が速く、美人で、誰とでも自然に打ち解けられる明るい性格。

そして、人の悪口を言わない。

少し姉御肌で、サバサバした性格。

俺にとっては、心から信頼できる、数少ない女友達だった。

「了解。九時に迎えに行く」

それだけで約束は決まった。

夜九時過ぎ。

A子の実家へ迎えに行くと、玄関にA子の母親が出てきた。

「まだ準備に時間がかかるから、上がってお茶でも飲んで待ってて」

俺は両親とも顔なじみだった。

リビングに通されると、A子の父親が笑いながら言う。

「俺くん、早くA子をもらっちまえよ」

「勘弁してくださいよ」

そんなやり取りに、家中が笑った。

夕食の残りと思われるエビフライを食べながら、俺はA子を待った。

それは、いつもと変わらない暖かな光景だった。

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