再び眩い閃光が夜空を照らした。
上空を覆っていた巨大な黒い影は、現れた時と同じように、何事もなかったかのように消えていった。
社長は慌てて車載テレビの電源を入れた。
ニュース番組は通常通り放送されている。
先ほどの閃光も、空を覆った黒い影も、一切報道されていない。
「おかしい……」
あれだけの現象なら、臨時ニュースになっていても不思議ではない。
社長はスマートフォンで調べてみた。
しかし、SNSにもニュースサイトにも、それらしい情報は一つも見つからなかった。
その時だった。
再び地面が小さく揺れた。
足元の地面に細い亀裂が走る。
そして亀裂の奥から、誰かの声が聞こえてきた。
先ほどとは違う。
穏やかで、どこか人間らしい声だった。
「どうやら……我々の声が聞こえるのは、君たち二人だけのようだな」
社長と霊能者は顔を見合わせた。
「我々は、彼女が見ていた電柱の首吊りの人々と同じ存在だったものだ」
「同じ存在?」
霊能者が問い返す。
「だが、あれはこの町で死んだ人間ではない」
「日本中から集められた者たちだ」
「集められた……?」
「彼らの目的は一つ。地球上のエネルギーを回収し、持ち帰ることだ」
「そのエネルギーとは、人間の怨念や憎しみ」
「特に、自ら命を絶った者の感情は強く、大きなエネルギーとなる」
社長の顔から血の気が引いた。
「まさか……」
「そうだ。この町は、集められたエネルギーの貯蔵庫になっている」
「そして電柱は、その回収装置だ」
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