一ヶ月前、我が家の隣のマンションで火事がありました。
五階に住む一人の男が自室に火をつけ、それが両隣まで広がったとそのマンションに住む知人から聞きました。
一ヶ月経って、最近ようやく現場のブルーシートが外れました。火の回った三部屋は遠くから見てもわかるほどに真っ黒に焦げていて、痛々しかったです。
そして、昨日そのマンションの前を通りかかったときに不思議なことがありました。夜9時を回った頃だと言うのに、マンションのどの部屋にも明かりがついておらず、いつもは暖色に照らされている共用部分までも真っ暗でした。
そんな黒い塔のようにそびえるマンションに、一つだけ白色の光がともっていました。あの火事の、出火元になった部屋の電気だけがついていました。
カーテンのない窓から明るい光が漏れ出して、黒焦げになったベランダや配管を照らしていました。
部屋の中が見えないかと思い、爪先立ちをしてみましたが、あまりにも白色の光が強くて何も見えませんでした。写真を撮ってみようと携帯を取り出したときでした。
白い光の中で細長い人影のようなものがゆらゆらと揺らめいているのが見えました。
何となく写真を撮るのは憚られて携帯を仕舞い、私は家へと帰りました。
翌日、マンションに住む知人に確認したところ、
知人は夜遅くまで外出していたため詳細はわからないが、マンション全体で明かりを消えるという話は聞いたことがない、とのことでした。
ちなみにですが、
出火元の両隣に住んでいた家族は、一時的に入院していたものの命に別条はなく、今は別の場所に仮住まいしているそうです。
火をつけた男ですが、ニュースで
「意識不明の重体」
と報道されて以来、彼の安否については不明のままです。





























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