小学生のころ、学校へ行く道に、毎朝同じ場所に立ってるおじさんがいた。
横断歩道の手前、電柱の影。
通学路の子どもたちに混じるでもなく、
かといって交通整理をするわけでもない。
ただ立ってて、
俺が前を通ると、必ず言う。
「おはよう」
それだけ。
声は低くて、でも怒ってる感じでもない。
普通の挨拶。
最初はちょっと怖かったけど、
毎日いるから、そのうち気にならなくなった。
俺も小さく「おはようございます」って返すようになった。
ある朝だけ、違った。
挨拶のあと、
おじさんが一歩だけ近づいてきて、
笑いもしない顔で、こう聞いてきた。
「きみは、神様を信じますか?」
急すぎて、何も答えられなかった。
信じるとか信じないとか、
当時の俺にはよく分からなかったから。
黙ってると、おじさんは少しうなずいて、
「……そうか」
それだけ言って、
いつもの場所に戻った。
それ以降も、おじさんは毎朝いた。
何事もなかったみたいに「おはよう」って。
結局、その質問の意味は分からないまま、
俺は卒業して、引っ越して、
その道も通らなくなった。
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