僕はカーペットを引く職人だ。地味かも知れないけどそれでも頑張っている。
そして丁度今、客の家でカーペットを敷き終わり、少し休もうとしているところだ。
だが、ポケットに入れておいたはずのタバコが見つからない。僕がタバコを探してあたりを見渡すと、カーペットの一部が盛り上がっていた。
今さらカーペットを敷き直すのは面倒だったので、職人はトンカチでカーペットの下のタバコの箱を潰して平らにし、何事も無かったように客に作業の終わりを告げた。
「まあ、何て見事な仕上がりなの!」
カーペットを見た婦人が喜びの声を上げ、ポケットをまさぐりながら言った。
「あ、そうそう。これがキッチンに落ちていましたよ!」
婦人は職人にタバコの箱を差し出した。
「あと、そういえば家のハムスター見ませんでしたか?さっきゲージを逃げ出しちゃって…見てたら教えてほしいんですけど…?」
僕は冷や汗が止まらなくなってきた。
「見、見てないですよ!そ、それで、は、失礼、いいたしま、す…」
僕は、駆け足でと逃げていくように撤収した。
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俺が被害者だったらマジでキレてた