言霊。文字通り、言葉に宿った霊力を指す言葉です。皆さんはこの存在を信じますか。僕は最近になって信じるようになりました。
この話では実際に言霊の存在が僕の中で明らかになってしまった出来事について書かせてもらいます。
話の始めは小学生の頃。当時の僕は毎日、複数人の友達と何時間も遊び続ける活発な子供だった。友達とはまだ付き合いがあるが、「あの時は遊びすぎたなー」とか言う程、当時の僕らはずっと一緒にいた。
小5の夏休みの頃、ゲーム、サッカー諸々の遊びに飽きたあと、自転車を漕ぎながら友達が言った。
「なんか、つまんなくなっちゃったなー」
「そうだな」僕も続けて言った。
そして、この瞬間僕はとあることを思い出した。それは昨夜、テレビでやっていた怖い話の特集だった。
「やっぱ夏は怪談でしょーっ」咄嗟に僕は言い出した。
すると友達も、
「いいね!!」
しかし、当時の僕はまだ11歳。怖い体験など全くしたことがなかった。
(うわー、どうしよう、、、)
悩んでた僕は適当に怖い話を作ることにした。
「じゃあ俺の実際に体験した超怖い話をしてやるよ!」
と、僕は即席の怪談話を話し始めた。
その内容をまとめるとこんな感じだ。
〇〇県の祖父母の家に家族4人で行った僕。一人で田んぼに虫取りに行った。たくさんのカエルと戯れていたら日が暮れていた。帰ろうとした時、田んぼの奥の方から灰色の何かが見えた。近づいて目を凝らしてみると、それは灰色の何かを被った人間だった。そいつは招き猫のような手の仕草で僕を誘っているように見える。怖くなった僕は逃げ出した。
小5が作った怖い話だ。怖くもないし、作り話感が溢れ出ている。
でも友達は、
「こ、怖すぎるって!」
と、かなりビビっていた。そして続けて
「でもお前のばあちゃん、〇〇県じゃなくね」
(あ、やばい、最初は本当の県名にしようと思ったんだけど、なんか母親に『嘘でも縁起の悪いことは口にしてはいけない』って言われたのを思い出してつい、、、)
「あ、もう一人のばあちゃんのことか!」
友達が都合よく言ってくれたので、僕もうなづいた。
時間は経ち、僕も友達も高校入学。それぞれ別の高校に入って、遊ぶ機会どころか会う機会も少なくなってしまった。
そんなある日、父親が急に言い出した。
「来月〇〇県に母さんと行くけどお前もついてくか?」
その時、僕は部活もやっておらず、退屈な日々を過ごしていたからすぐに「行きたい」と返事をした。
この時は、数年前、友達に話した〇〇県と同じ県なんてことは認識してなかった。






















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