このお話は後日談含む二部構成である……
一つ目のお話はボクが実家にいた頃のお話。
実家は小さな児童公園のすぐ隣にあり、ボクの部屋は2階の公園側の部屋で公園がよく見える部屋だった。
部屋からは公園が一望でき、桜の木がたくさん生えている公園なので春は家から出ることなく花見ができた。
昼は子供たちが走り回ったり奇声を発したりしているのが直に聞こえてくるのだった。
そんな部屋である日寝ていた時のこと。夏の日の夜だった。
網戸越しに きぃ きぃ と音が聞こえてくる。
ブランコを漕ぐ音だとすぐに分かった。
隣の公園には4人分のブランコが設置されていて、それはボクの部屋の窓の真正面に位置していた。
時計を見ると深夜4時頃。当然、まともな人が公園で遊ぶ時間ではない。
ただボクの住んでいる地域は不良が多く、深夜に不良少年がたむろしていることもあったので、ボクは何の気なしに公園の方を覗いてみた。
正面のブランコの左から2番目に、小学生と思しき女の子が座っていた。
その女の子が俯きながらブランコを きぃ きぃ と動かしているのだ。
同級生にも家出して深夜徘徊していた子がいたのを知っていたのでその類かと思ったが、ぼんやりと女の子を見ている時だった。
ふふ…… ふふふふ……
女の子がおもむろに笑い始めたのである。
含み笑いというか、息が漏れるような笑い方だ。
深夜(早朝)に幼い女の子が笑いながらブランコに乗っているのは不気味で仕方がない。
それに、家出少女だったとしても見つけてしまった以上放っておくわけにもいかない。
ボクは枕元に置いてあった携帯電話を手にし、警察を呼んだ。
通話しながらまた少女の様子を見ようと窓際へ移動すると、もうすでに少女の姿はなくなっていた。その間、2、3分のことである。
そのあとは特に何もなかったのだが……。
「俯いている少女」とは言ったものの、実のところそれなりに距離があるので少女の視線までは見えているわけではなかった。
もしかしたら、少女は上目遣いで部屋にいたボクのことをじっと見つめていたかもしれない。
……と、これが1つ目のお話だ。
そして、もう1つのお話というのは、この話を怪談話のイベントに出そうとした時のことである。
ボクは配信活動をしており、その中で夏の怪談企画に参加することになった。
そこでこのブランコの少女の怪談をするにあたり、動画に使うイラストを描き始めた。























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