隣の住人とはほとんどつきあいはない
まぁっ顔を会わせた時に会釈をする程度か・・・
それでも隣が母と娘の二人暮しって事は分かっていた
二度ほど見かけた娘がかわっていたんだ・・・実に
夏も近いと言うのに
黒い帽子、黒いマスクと顔を覆った黒いマフラー
サングラス、黒のツーピースそれも長袖の・・・
黒く厚いタイツに黒いブーツ、黒い手袋
まったく肌を見せない黒づくめの女
ある日の夕方、玄関のドアを開けた瞬間
ちょうど通りかかった黒衣の女にぶつかった
その表紙に彼女が持っていたかみ袋から
果物や缶詰が狭い廊下に散らばった
「あっすいません・・・」
慌てて荷物を拾って渡そうとしたが
黒衣の女はそれを無視して
隣の彼女の家のドアを開けた
その時・・・・妙なものを見たんだ
ドアを開けようと伸ばした彼女の手首のところがめくれて見えた
素肌が・・・
いや・・・素肌じゃなかった・・・・
そこには一枚の金属の板があった・・・
薄い金属板の義手なんて考えられない
すると黒衣の女の身体は一体なんなんだ?
何をあの黒衣で隠しているんだろう?
同時にいつもひっそりしている隣を思い出した
いくら騒いでも文句ひとつ言ってこない隣
物音のしたためしのない隣
生活の音がまったくしなかった隣
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