亡き祖父からのメッセージ
投稿者:並樹 (1)
これは、私の母方の祖父が亡くなった時の話しです。祖父は、自宅で過ごしていましたが、ろうそくの灯がフッと消える様に、家の人が数分目を離したとき亡くなったそうです。
急逝の一報を受け、私や両親が母の実家に行きました。私と母は、眠ってる様な祖父の死に顔を見ても実感が湧きませんでした。
その日は、菩提寺のお坊さんが来て、お経をあげた後、ろうそくとお線香の番として、父と叔父二人で仏間に居たそうです。
午前2時を少し過ぎた頃、誰もいない祖父の部屋から
「カリカリ」
と音がしました。
叔父の一人が祖父の部屋へ行っても誰も居ません、踵を返して仏間に帰ろうとした時
「ボリボリ」
と何かを食べる音がしました。
叔父は、振り返ってもう一度部屋を見回しましたがやはり人の姿も動物の気配もしません。
恐怖心を抑えて、そっと祖父の部屋の襖を閉め仏間に居た、父ともう一人の叔父に今あったことを話しました。
そこで、今度は、父が祖父の部屋へ行きました。
「ぬぉぉ」
と低く声がしました。
父は、腰が抜け暫く立てませんでした。
帰りの遅い父の事を心配して、仏間に残っていた叔父達が父の元に来ました。
父は、叔父達に肩を貸してもらいやっとの事で祖父の部屋から出る事が出来ました。
しかし、部屋を出る直前3人に祖父らしき声で
「許さない」
と確かにはっきりと祖父の声がしたそうです。
それからは、3人固まって、何度か声や物音がしたそうですが、誰も部屋には行きませんでした。
翌朝、私と母が来ると、父達3人は、カタカタと仏間で震えていました。
どうして、震えていたのか訳を聞き、母は3人に
「爺ちゃんは、3人に詫びて欲しい事が有ったんじゃない?」
と言いました。
3人はただ、下を向いていました。
その後、納棺が行われ、最期のお別れの時です。
祖父の遺体が入った棺桶がガタっと動きました。
その場にいた皆が驚きました。
お坊さんは、直ぐ読経を始めると棺桶の揺れは止まりました。
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