これは私の知人のS氏に回してもらったものです。
S氏はとある雑誌の記者をしていましたが、色々あって辞めたようで、その時使っていた取材道具の中の1つに、今回のボイスレコーダーがありました。
そのネタは雑誌に掲載されるはずでしたが、内容が内容だけにボツになった物です。
記事に書き起す前にボツになったので、ボイスレコーダーの音声を私が文字に起こしたものになります。
取材内容は社会問題になっている闇バイトについて。
個人情報も含みますので、ある程度ぼかして書き起こしていることをご容赦ください。
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S「▉▉月▉▉日午後1時▉▉分」
後で聞き返してわかりやすいように日付を言うS氏
S「今回はわざわざ来て頂いてありがとうございます」
取材相手 以下A「いえいえ、大丈夫です、」
S「顔色悪いようですが、大丈夫ですか?」
A「お気になさらず…」
S「そうですか、それでは早速始めましょう。あなたが経験した闇バイトについて詳しく教えてください。」
A「闇バイト…と言っていいのか分かりませんが、つい数ヶ月前の話です。」
A「スマホのゲームにハマっていて、それで課金がしたくて。居酒屋のバイトもしていたんですが、それじゃ足りなかったんです。」
S「それは相当ですね」
A「そうですよね。でもあの時はどうしても欲しいキャラがいて…それでたまたま求人を見つけたんです。色々な求人を見漁っていたので、どこで見つけたかあんまり覚えてないんですけど、変な求人だなと思ってすごく印象的でした。内容は、募集先の人の家でビデオを見るだけ。1本1万円とかで。」
S「マジですか?とんでもないですね」
A「はい。馬鹿ですよねほんと。そんな怪しい求人普通は誰も興味持ちませんけど、あの時は働きすぎで頭おかしくなってたんだと思います。言い訳ですけどね。それで、なんとなく書いてあった電話番号に電話をかけたんです。」
A「普通に出たんで驚きましたよ。電話先の相手はやけに愛想のいい兄ちゃんって感じで。なんだかほっとしたのを覚えてます。怖い人が出る気がしてたんで。もちろん怖い人が出てたらノコノコ家まで行ってませんけど。」
S「続けてください。」
A「そんで普通に日程を決めて、住所を教えてもらって、んでその日になってその住所に向かったんです。どこにでもある普通のアパートの一室でした。ピンポン鳴らすと電話で話した気のいいお兄さんが出てきて、またほっとしましたね。」
A「お兄さんは▉▉って名乗ってました。珍しい名前だったので忘れること無いななんて思ってました。中に入って雑談しました。ほんと優しい人で。ジュースも出してもらって、話してるうちに不安な気持ちとかなくなってました。いい仕事見つけたかも。なんて思ったりして」
S「雑談と言うとどういうお話でしたか?」
A「いや、ほんとたわいも無い感じで…なんで受けてくれたの?とか、でしたかね、怪しい感じのことは何も聞かれませんでした」
S「そうですか。今のところ闇バイトって感じじゃありませんね」
A「そうですよね…でもここからが変だったんです。じゃあビデオみてもらうねって、ビデオデッキ?って言うんですかね、DVDじゃない、昔のやつ。それをテレビの下の機械に入れて、早速ビデオが始まったんですが、それが怖かったんです」

























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