ある夜、奇妙な夢を見た。
真っ白な部屋。天井も壁も床も、すべてが滑らかで、角がない。
中央に、小さな人影が立っていた。背中を向けて、動かない。
近づこうとすると、そいつがゆっくり振り返った。
目が、なかった。
その代わりに、顔の真ん中にひとつだけ、**“大きな目”**が開いていた。
その目が、俺を見た瞬間――
心臓を鷲掴みにされたみたいに、呼吸が止まった。
苦しくて、声も出なくて、そこで目が覚めた。
朝だった。
夢だった。…はずだった。
でも、起きた瞬間に違和感があった。
スマホのアラームが鳴らない。
部屋の時計が止まってる。
外の世界が、音を立ててない。
窓の外を見た。
人は歩いてる。車も走ってる。
でも、誰も動いていない。
まるで、全員が一枚の写真みたいに、同じポーズで静止してる。
ぞっとして目をこすって、もう一度見たら、今度は普通に動いていた。
「寝起きで頭おかしくなってるのか…」
そう思って出勤した。
でも、会社でもおかしなことがあった。
エレベーターに乗ったとき、他の社員と一緒だった。
ドアが閉まる。
誰かが、こう言った。
「また夢、見た?」
俺が反応する前に、全員がこっちを振り返った。
全員の顔の真ん中に――“目”があった。
俺は叫んで目を覚ました。
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