最近、心霊スポットを”作る”ことに成功した。
おいおい。勘違いしないでくれ。俺は人を殺したりして心霊スポットを”作った”わけじゃない。そんな野蛮な”作り方”はしていない。
廃業になっちまったラブホテルの廃墟に行って、写真を何枚か撮って、それを加工してお手製心霊写真を作って、知り合いという知り合い全員に見せたりしたんだ。
もちろん話も作ったさ。自殺した女の霊が〜とかな
その話や写真は俺が思っているよりあっという間に噂になって広まって、地元じゃ有名な心霊スポットになった。
中にはガセだと気がつく連中も居たが、そいつらの意見も耳に入らないくらい馬鹿みたいに騒ぎ立てて怖がる奴らを見るのが面白くて、楽しかった。
だからもう1つ作ることにした。
俺は家の近所にある火事で全焼した廃墟に狙いを定めた。
ずっと取り壊されずに置かれたまんまになっていて、倒壊するのが怖かったが、窓ガラスが割れていて簡単に中に入れた
雰囲気はかなりあったね。全部焼けているから。
写真を撮りながらいろいろ中を見ていると、昔よくプレイしたゲームソフトを見つけたんだ。
ボッロボロだったけど、辛うじてあのソフトだなって分かるくらいのやつ。
懐かしい気持ちになって、持ち帰ることにした。
家に帰って風呂に入り、横になってどういう話をでっち上げてどういう写真を作るか考えた。
眠たかったのもあるが、なかなかいい話が思いつかず、拾ってきたゲームをプレイすることにしたんだ。
押し入れからハードを取りだして、ソフトを入れて、ちゃんと読み込むかな?なんて思いながら起動してみた。
ちゃんと起動したよ。でも、ぶっ壊れてんだろうな。
テクスチャが変になってた。街は色味が全体的に赤黒く、所々バグって家とかモザイクみたいになってた。
主人公の名前を見ると、ガッツリ文字化けしてた。
『險ア縺輔↑繧、』ってなってた。
気持ち悪ぃって思って直ぐに電源落として、話を考えた。俺が考えた話はこうだ。
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その家には3人家族が住んでいた。
父、母、男の子の三人家族。
父はとんでもないDV男で、それに耐えかねた母親が
火を放ち無理心中。
今もあの家には夫を許せない母親と子供の霊がいて、家に入る男性だけを見境なく呪い殺すと言う。
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あまりにも陳腐すぎる話だが、元々あの家にはかなり雰囲気がある。これで十分だろう。さて、明日にでも写真を加工することにしよう。今日はもう寝よう。
























こえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー