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ネカフェの怪異〜おっさん〜
短編 2025/01/18 18:06 647view
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ある日、飲み会で終電を逃した俺は駅近くのネットカフェに泊まることにした。
最近よく見かける、ホテル並みに綺麗なネカフェだ。もちろんシャワーも借りられる。

シャワーを浴びて歯磨きをして、シートに横になってブランケットをかぶる。
部屋の灯りを消し、さて寝ようと思った時に消したはずのパソコンがブウゥンと音を立てて点滅した。
なんだ?再起動か?と思い半身を起こした時にあることに気がついた。
この個室はそこそこ広さがある。
その部屋の隅に、人が立っている。
しかもパンツ一丁のおっさんだ。
汚いパンツ一丁のおっさんが、部屋の隅から俺を見つめていた。

変質者だと思った俺はすぐにドアを開け

「誰だお前!出てけよ!!」
と怒鳴った。しかし男は動じない。
イライラした。酔っ払って眠いのになんでこんな奴の相手をしないといけないのか。
「おい!聞いてんのかよ変態がよぉ!出てけよコラァ!!」
腹から声を出して怒鳴った。すると男が少し涙目になり、するするとパンツを脱いだ。
汚いモノが露わになり、パソコンの青い光に照らされて火の玉のように俺の前で揺らめいた。
俺はありったけのデカい声でスタッフを呼んだ。
案の定どこかの個室から「うるせえ!」と罵声が飛んできたが、そんなものは小鳥の囀りみたいなものだ。
とにかくこの変質者を追い出したい。その一心だった。

しかし冷静になると妙だ。ついさっきまでこの個室内には俺しかいなかったはずだ。このおっさんは一体どこから入ってきた?

室内に人が隠れられるようなスペースはない。そして完全個室だから天井が開いているわけでもない。
俺はだんだん怖くなってきた。
しかし怖がっていたらどうにもならない。
俺はおっさんの腕を掴もうとした。

その瞬間だった。
おっさんの身体が陽炎のようにゆらめいて空中に霧散した。つまり跡形もなく消えたのだ。
呆然と立ち尽くす俺の元にやっとスタッフが来たが、今見た物をうまく説明できないため
「すみません、酔っ払って夢を見たみたいです……」
と謝った。
そうだ、今の俺は酒が入っているのだ。
酔って見た幻覚に違いない。
そう思ってすぐに寝た。

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関連タグ: #人魂#声#夢#酒
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