神様を見た日
投稿者:イノ (2)
これは私が小学校1年生だった頃、岩手県での話です。
当時の私はかなりのおばあちゃん子で、いつでもどこでも優しいおばあちゃんにべったりでした。
6月のある日、おばあちゃんが自転車で郵便局まで行くと言うので、私もついて行くとわがままを言って連れて行ってもらいました。
郵便局には何も面白いものは無いと子供ながらにわかっていながらも、おばあちゃんと一緒にお出かけが出来ることにテンションが上がり、そのテンションのまま郵便局へと向かいました。
郵便局へと向かうには、家からくねくねとした農道を500mほど進んだ所にある交差点を右に曲がり、そこからまたくねくねとした住宅街、大きな交差点、学校脇などを越えた所にあります、距離にすると最初に曲がった農道の交差点から2キロほど真っ直ぐ行ったところです。
不思議な体験は郵便局へ向かった帰り道、大きな交差点で起こりました。
郵便局の用事を終えたおばあちゃんは、チャイルドシートに座ったままの私と帰路につき、例の大きな交差点へと差し掛かりました。
交差点を越え、何気なしに振り返った私の目に映ったのは、直径50cmはあろうかという巨大な蛇のようなミミズのような茶色い何かでした。
そこで私はおばあちゃんに「ヘビがいるよ!」と交差点を指さしながら言いました。
今思い返せば見た目はミミズに近いのですが、私はヘビだと伝えました。
それを聞いたおばあちゃんは自転車を止めて後ろを振り返り、「あらほんとだねぇ」と言いました。
2人で呆然とそれを見ていると、その何かは尺取虫のような進み方で道路を渡り始めました。
信号は赤、轢かれると思いました。
しかし、その何かが轢かれることはありませんでした。
走り抜ける車をすり抜け、しかしまるで轢かれたかのようにもがいた後に再び道路を渡り始め、道路の向こうへ言ってしまったのです。
私は不思議なものを見た新鮮さで興奮気味でしたが、おばあちゃんは気味悪がってそそくさと家に帰りました。
帰った私はすぐさま自分の部屋に走って行き、部屋の中にある動物図鑑を引っ張り出して読みました。
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