通学路の犬
投稿者:ピィくん (4)
短編
2024/06/09
19:33
1,720view
僕の通学路には犬の置物がありました。その犬はその時々により着るものを変え、ある時はサンタの帽子、ある時はカボチャの被り物、ある時は麦わら帽子。必ずと言っていいほどその犬は何かしらを身にまとっていました。でもある年、その犬は何も見に纏わなくなりました。
最初は着させてる人がネタに尽きたのかと思いましたがどれだけ日が経っても変化がなく僕は段々その犬のことを忘れていったんです。
その犬が何も着なくなった年のあくる日、僕の住んでる県が大地震に見舞われました。僕の町はほぼ全壊、死者負傷者合わせて700人の大惨事となりました。僕は奇跡的に生き残り、その町の復興に尽力を注ぎました。そしてその復興作業中僕は目を疑いしました。全てが壊れ更地となった場所にぽつんと例の犬の置物があるんです。ほとんど傷もなくまるでそこだけ何かに守られているかのように。その後僕がこの事を街の人に話すと犬のことを教えてくれました。
この犬はいつからここにあるか不明な事、この犬に着せ物をしてる人が誰かが不明と言うこと、そして、この犬が何も着てない時必ずなにか悪いことが起きるという事を。月日が経ち大人になった僕は今もその町にいます。例の犬も、、、そしてその犬は今、、、、何も着ていません。僕はこの街から引っ越す予定です。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 21票
何か着せてくれないと災いを起こすワン!
僕がなんか着せてあげるとかは無効なんかな(´・ω・`)?